第142回水路記念日講演会を開催しました。

 9月12日、那覇市の沖縄県立博物館・美術館において、海洋調査・研究を支える水路技術をテーマに第142回水路記念講演会を開催しました。

 琉球大学の藤田博士は、「沖縄周辺の海底に眠るサンゴ礁の化石」と題して、地球環境の変動や人類・陸生生物の移動の解明におけるサンゴ礁の化石の研究の重要性と、海底地形調査などの総合的な調査の必要性について講演されました。

 沖縄県立博物館・美術館の片桐氏は、「南西諸島における水中文化遺産の魅力」と題して、先史時代から琉球時代を経て現代に至るまでの人々と海との深い関係を、南西諸島の海底に残された多くの遺跡の調査とともに、その魅力を紹介された。

 東京大学生産技術研究所のブレア博士は、「最新の海洋測量・調査技術について」と題して、沖縄トラフ熱水鉱床での調査事例を基に、水中ロボットを使用した調査技術や得られたデータの3次元マッピングなどの、最新の調査技術を紹介されました。

 第十一管区海上保安本部の春日次長は、「沖縄周辺の海底地形について~最新の調査結果から~」と題して、日本における海洋調査技術の発展と、最新の海洋測量成果から南西諸島及び沖縄本島周辺の詳細な海底地形をアニメーションにして紹介しました。

 講演会には、行政機関、研究者、海事関係者、教員、マリンレジャー関係者など、多方面から多くの方に参加いただき、沖縄周辺の海の魅力を再認識するとともに、調査研究の各分野を超えた協力の必要性が感じられた講演会となりました。
 なお、質問にありましたエルトゥール号の遭難は明治23年です。この近くの樫野埼灯台は明治3年に点灯しています。