1 伊良湖水道(海図W1064、W1053、W1052、W1051)
(イラゴ・スイドウ)伊勢湾口 伊良湖岬〜神島 の間にある水道で、外海から伊勢湾及び三河湾に入る最良の水道です。この水道の両側には離険礁があり、水深10m以上の幅は約1M(海里・1,852m)です。
この水道は大小各種の通航船舶が多く、また、多数の漁船が操業する海域でもあり、航行には充分な注意が必要です。
伊良湖水道を含め、渥美半島西部の大山三角点と対岸の志摩半島・石鏡(イジカ)灯台を結んだ線以北の海域は、「海上交通安全法」の適用海域となっています。また、伊良湖水道中央部には、同法により定められた「伊良湖水道航路」があります。
2 菅島水道(海図W73、W1053)
(スガシマ・スイドウ)答志島〜菅島 の間にあり、幅約1Mのほぼ真っ直ぐの水道ですが、水道両側に多くの険礁が散在します。特に間ノ七島とホソエとの暗礁間は最も狭く、水深10m以上の幅はわずか400mです。視界の悪いときや西日に向かって航行するときには、指導線上の目標が見えにくいため、針路の保持に注意が必要です。
3 桃取水道(海図W73、W1053)
(モモトリ・スイドウ)答志島・浮島及び飛島〜南西方陸岸 の間にあり、大きく屈曲していますが、深水無害で目標が多く、南方から伊勢湾に出入りする小型船の良航路です。
その内口(答志島〜日向島 の間)はこの水道の最狭部で、水深10m以上の幅は約450mです。内口両側には急潮を生じます。中口(神前(コウサキ)〜飛島 の間)は西側に急潮を生じます。外口は、飛島北方の浅瀬の西端〜二見浦沖の浅瀬の北東端 の間にあります。
4 加布良古水道(海図W73、W1053)
(カブラコ・スイドウ)菅島〜南西方陸岸 の間にあり、最狭部は誓願島〜鰮(イワシ)埼 の間にあって水深10m以上の幅は約350mです。この水道は短く目標が多いが、暗礁が多く航路が屈曲しているため、大型船にはやや不適です。
水道南口には、石鏡島を中心として浅礁脈が南北に広がり、この礁脈と南西方陸岸との間に狭水道があります。その最狭部は、ハンス鼻〜タナバシ(干出1.8mの礁) の間にあり、水深10m以上の幅は約300mです。
坂手島〜南方陸岸 間の水道は、鳥羽港へ出入りする小型船、特に漁船の通航が多い所です。
ヨセマル〜南方陸岸 の間は多数の暗礁があり危険なので通航できません。
5 布施田水道(海図W1090)
(フセダ・スイドウ)麦埼〜和具漁港 の沖に広く散在する険礁群の間を東西に通じています。水道の北側に大王出シ(最小水深3.7m)・フカ瀬(水深3.5m)・イチ島(水深3.6m)・渡リ黒ミ(水深2.3m)などの暗礁が点在し、南側には、東端にボテ島(水深3.5m)・大長磯(北端に大長磯灯標)、西端に観音寺山ノ瀬(岩上に布施田灯標)があり、これらの岩礁の間は小島をはさんで干出岩が連なっています。
延長約2.5M、水深6m以上の幅は約350mで、地元漁船など小型船の通航が多く、通航できる船舶は最大700t程度です。
6 中山水道(海図W1053)
(ナカヤマ・スイドウ)野島〜渥美半島 の間にあり、野島の南南東方約1.5Mのトーノ瀬(北側に灯浮標)と同瀬の西方1.5M付近の水深10m以下の浅所(長さ南北方向に約1.5M)とによって、東水道と西水道とに分かれています。西水道には開発保全航路があって、平成11年から5年計画で水深14mの浚渫工事が行われています。
7 師崎水道(海図W1053、W1054)
(モロザキ・スイドウ)日間賀島〜知多半島 の間にあり、中央部は水深30m超であるが、水道の両側には多数の険礁があり、5〜20mの各等深線が重なるように接近し、水深20m以上の水路幅は約500mです。この水道は古くから好漁場として知られ、日常的にに漁船が操業していて、特に休日には多数の漁船、釣り船が集中しますので、一般船舶の通航には注意が必要です。
8 深谷水道(海図W78)
(フカヤ・スイドウ)英虞湾と外洋との海水交換を促進し同湾の真珠養殖の赤潮・冷潮の被害を防ぐことを目的として、大王埼南西方約2.2Mに切り開かれた水道です。
南北両入り口には灯台があり、満潮時には20t級の船舶が通航できます。