平成16年11月25日
第五管区海上保安本部


海上保安庁が初の津波防災情報図を作成!
 
−五管区管内においては9図を作成−


海上保安庁は、想定される東海、東南海、南海地震で引き起こされる津波のシミュレーションを行って、港湾や沿岸域の津波の挙動を明らかにしました。このシミュレーション結果は「津波防災情報」として、港湾等における津波防災対策のために活用していきます。

 東海、東南海、南海地震が発生した場合、中央防災会議では、太平洋沿岸において高さ3m以上の津波が海岸に押し寄せ、船舶の座礁や転覆、港湾施設の損壊など甚大な被害を及ぼすことを予測しています。

 海上保安庁では、船舶の避難計画の作成等に資するため、中央防災会議で地震断層モデルが示された東海、東南海、南海地震について、港湾及び沿岸域における津波の挙動のシミュレーションを行い、五管区管内においては神戸、大阪、堺泉北、下津付近、田辺港、串本港付近、徳島小松島港、高知港、土佐清水港の9箇所( 付図1参照 )について「津波防災情報」として「津波防災情報図(付図2,3参照 (本庁海洋情報部のホームページを参照してください) )」と「津波アニメーション」にとりまとめました。

 津波防災情報は、海上保安庁が港湾や沿岸域で、船舶や人の避難、救助のために用いる他、津波対策の基礎資料として、活用していきます。

 「津波防災情報図」と「津波アニメーション」は、海上保安庁のインターネットホームページでご覧いただけます。  http://www1.kaiho.mlit.go.jp




津波防災情報の種類

 津波防災情報は、進入図と引潮図の2種類の津波防災情報図(印刷物)と刻々と変わる津波の状況を動画で表示した津波アニメーションで構成されています。



進入図


満潮時に津波が押し寄せてきた場合を想定して、シミュレーションを行っています。

繰り返し押し寄せてくる津波の流速が最大となる時の押波の流向と流速を矢符と数値で表示しています。


津波の押波が最大となる時の水位上昇値を色別で表示しています。


津波の到達時間を等時線として、実線で記載しています。


代表的な地点を選んで、そこでの津波の水位変動を時系列でグラフ表示した経時変化図を掲載しています。



引潮図


干潮時に津波が引いていく場合を想定してシミュレーションを行っています。

繰り返し押しては引いていく津波の引波の流速が最大となる時の流向と流速を矢符と数値で表示しています。


津波の引波が最大となる時の水位低下の分布を色別で表示しています。


進入図と同じように代表的な地点の津波の水位変動を時系列でグラフ表示した経時変化図を掲載しています。



津波アニメーション


時間経過と伴に湾内や港内に押し寄せる津波による海水の複雑でダイナミックな動きを動画で、パソコン画面上に表示できるようにしたものです。


地震発生からの時間経過を数値で表示しています。


流向・流速の矢符と色分けして示された海面高の変動が表現されてます。