水路誌について

 海上の気象・海象などの諸現象、航路の状況、沿岸及び港湾の地形・施設・法規などを詳しく記述した海の案内記である水路誌について紹介します。

水路誌の区分
  国内の水路誌は、本州南・東岸水路誌、本州北西岸水路誌、瀬戸内海水路誌、北海道沿岸水路誌及び九州沿岸水路誌の5 種類が、また、外国地域の水路誌は、朝鮮半島沿岸水路誌、南シナ海・マラッカ海峡水路誌、ジャワ海水路誌など、朝鮮半島中国沿岸〜南シナ海、ジャワ海に至る海域について、5種類の水路誌 が刊行されています。
記載内容
  巻頭に使用上の注意・海図及び記載順序索引図、記載例、目次などを、巻末には地名索引などを掲載しています。また、本文は総記、航路記、沿岸・港湾記の3編で構成され、更に航空機による斜め写真、対景写真、や諸表などを多用して使用者の便宜を図っています。
@総記
  本誌全般にわたる一般的事項を記述したもので、記載事項は次のとおりです。 概要(記載区域、本文の構成など) 、気象(気候、低気圧など) 、海象(潮汐、潮流、海流、波浪など) 、磁気、信号、航路、水先、警戒、海難、船舶交通安全 情報、法規、その他参考事項
A航路記
  主な港を基点として、各港に至る主要な航路について記述したもので、記載 事項は次のとおりです。 概要、気象、海象、目標、針路法、その他参考事項
B沿岸・港湾記
  沿岸及び港湾に関する下記事項を記述しています。 (沿岸) 概要、気象、海象、海難、漁業、目標、錨地、針路法、法規 (港湾) 概要、気象(風、台風時の注意など) 、海象( 潮流、潮汐) 、出入港(目標、針 路法、通信、水先など) 、法規(信号、特定航法、航泊禁止など) 、港湾施設(岸 壁、係船浮標、錨地、停泊上の注意など) 、利用機関(海事関係官公署、引船、 補給、修理施設、廃油処置施設など)
最新維持の方法
@改版
 国内の水路誌は原則として5 年を周期として、また、外国地域の水路誌は6 〜7年を周期として改版を行います。
A追補
 水路誌の記載事項を加除訂正するためのもので、刊行後新たに収集した資 料及び水路通報等による資料を基に、水路誌の加除訂正事項をそれぞれの記法に従い記載しています。
 追補は国内水路誌については改版年を除き毎年刊行しますが、外国地域の水路誌については必要の都度刊行しています。


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