瀬戸内海の水道について

 瀬戸内海の海峡についてすでに述べましたので、今度は瀬戸内海の水道(両側の陸地によって狭められた水域)に ついて取り上げてみることにします。瀬戸内海には○○水道と呼ばれるものが22箇所ありますから、来島海峡を 境にして西と東に分け、今回は西部の関門海峡から来島海峡までの間にある水道を取り上げます。

(1) 北(きた)水道
 関門海峡東口、中ノ州(なかのす)(東西に約1.5海里のびる砂州(さす)で、最小水深は2.8m)と北方の 満珠島(まんじゅしま)との間にあり、水道の西口の最大水深は36mです。大潮期の最強流速は1.4ノットです。(海図 W1262)

(2) 中央(ちゅうおう)水道
 中ノ州と南方の部埼(へさき)との間にあり、多くの船舶はこの水道を常用しています。大潮期の最強流速は 1.8ノットです。(海図 W1262)

(3) 姫島(ひめしま)水道
 九州の国東(くにさき)半島と姫島との間にあり、幅は約2海里(ただし、水深10m以上の水路の幅は 約1.2海里)、中央部の水深は約27mです。この水道を通って関門海峡及び豊後(ぶんご)水道に向かう小型船が多く、 大潮期の最強流速は約2.4ノットです。(海図 W1101)

(4) 仙島(せんじま)水道
 徳山下松港内、黒髪島・仙島と北方の陸岸との間にあり、最小可航幅は約150m、水深は9mです。(海図 W1106)

(5) 馬島(うましま)水道
 周防灘(すおうなだ)北部、本州陸岸と馬島との間にあり、馬島の北西岸から北西方に多数の暗岩が広く分布し、水深は5m以下と浅くなっています。(海図 W1132)

(6) 平郡(へいぐん)水道
 屋代島・室津半島南岸・長島〜平郡島・八島間にある水道で、小型船が風波を避けて近道航路として利用するため、 古くから往来が盛んです。水道中央の最小水深は31mで、暗礁もなく大型船でも通航できますが、小型船が集中します。(海図 W163)

(7) 諸島(もろしま)水道
 広島湾と伊予灘とを結ぶ水道で、津和地島(つわぢしま)と西方の情島(なさけしま)間にあります。更に、 諸島によって東・西の二つの水道に分かれ、東水道をイガイ瀬戸、西水道をミルガ瀬戸といいます。大潮期の平均 流速は南流・北流ともに約4.5ノットですが、最強流速は時には6ノットに達することがあります。(海図 W1131)

(8) 怒和島(ぬわじま)水道
 広島湾口、怒和島と津和地島との間の水深の深い水道(最大水深157m)ですが、両側から浅瀬が広がり 最狭部の可航幅を約750mに狭めています。大潮期の平均流速は約5ノットですが、最強流速は時には6ノットに達する ことがあります。(海図 W1131)

(9) クダコ水道
 安芸灘南部、中島と怒和島の間にあり、最狭部の中央にあるクダコ島により東・西二つの水道に分かれ、 いずれも幅約0.6海里で、最大水深154mの水道です。この水道は釣島水道とともに安芸灘〜伊予灘に通じる主要な 航路の一つです。東側の水道では、大潮期の平均流速は4.6ノット、西側の水道では、大潮期の最強流速は6.5ノットに達することがあります。(海図 W1131)

(10) 釣島(つるしま)水道
 松山沖、興居島(こごしま)・釣島と中島・睦月島(むづきしま)・野忽那島(のぐつなしま)との間に あります。安芸灘〜伊予灘間を通じる諸水道のうち最も大きく、可航幅は約1.5海里あり、暗礁は少なく 概ね30m以上の水深があります。釣島水道は霧が長くとどまりやすいです。最強流速は約3ノットに達しますが、 この水道の潮流はやや不規則で、時に流向、流速はかなり変化することがあります。(海図 W1131)

(11) 柱島(はしらじま)水道
 広島湾南部、柱島東方にあり、広島湾内の主要航路です。(海図 W1131)

(12) 黒島(くろしま)水道
 広島湾東部、倉橋島南岸西部とその沖合の黒島・西五番之砠(にしごばんのばえ)との間にあり、 幅約1.3海里で暗礁等の障害物はありません。(海図 W142)