高潮(たかしお)について


 台風等によって引き起こされる潮位の上昇『“高潮”(たかしお)』について説明します。

 海面の高さは潮の満ち引きによって変わりますが、気圧の変化によっても変わります。中心気圧と周囲の気圧との差1ヘクトパスカルについて海面の高さはほぼ1p変化します。

 高気圧が海上を通過する時は海面が押し下げられて低くなり、低気圧が通過する時は気圧の降下によって海面が吸い上げられて高くなります。また、一方向からの強風によって海水が吹き寄せられて海面が高くなることもあります。

 このため、台風が近くを通過した時は、気圧の急激な低下のために潮汐の予報値からはずれて海面が高くなる時があります。このような現象を“高潮”(たかしお)と呼びます。

 “たかしお”は、津波のように急激に起こるものではなく、低気圧の接近とともに徐々に潮位が上昇し、通過後、次第に減衰するもので、普通は1〜2日ときには数日におよぶことがあります。

 ところで海面は1日に1〜2回のゆっくりとした昇降を繰り返しておりますが、この海面の上がりきった状態(満潮)を同じように“高潮”と書きますが、この場合には“こうちょう”と呼びますので“たかしお”と区別する必要があります。

 また、異常潮位という言葉を聞いたことがあると思いますが、これは、潮位の変化には、通常の潮汐のほかに、時々、異常な昇降が現れますが、直接的な原因のはっきりしている“津波”と“高潮”(たかしお)を除いて発生原因がはっきりしない現象だけを異常潮位といいます。

 海岸付近の岸壁の高さが満潮時の潮の高さよりも充分に高い場合にはあまり心配はありませんが、岸壁の高さがギリギリの場合で、しかも満潮の時に発達した台風が通過して“たかしお”が岸壁を越えて内陸に侵入すると大変な災害を引き起こすことになります。

 昭和34年9月26日に中部地方を襲った伊勢湾台風では、台風の上陸時に約4mの高潮(予報海面よりも4m高い海面)が起こり、約5,000人が犠牲になったそうです。
 これはいわゆる“ゼロメートル”地帯(海抜0m地帯)の悲劇といえます。

験潮所の構成


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