瀬戸内海の海峡について


 瀬戸内海は、大小無数の島があることから多島海とも呼ばれ、また、世界有数の美しさを誇る景勝地でもありますが、 島が多くなれば、当然のことながら○○海峡、○○水道、○○瀬戸と呼ばれるものが多くなってきます。海峡、水道とは、 一般的には「両側の陸地によってせばめられた水域」、瀬戸は、古くからの呼称として本来の”サト(狭門、迫門)” からきている「狭い通路」で、本質的な違いは無く、名称は多分に慣習的に使われているようです。海図の名称は、 国土地理院と海上保安庁海洋情報部間の「地名等の統一に関する連絡協議会」において統一された地名を採用しています。 今回は、瀬戸内海にはどのような海峡があるか取り上げてみることにしました。

1 瀬戸内海の海峡について(下図参照)
(1) 明石海峡
淡路島と本州間、幅約2海里(約3.5km)、最強流速は7.1ノット(時速約13km)、 海峡を横断する明石大橋が架かっている。

(2) 鳴門海峡
淡路島と四国(島田島・大毛島)間、最強流速は10.6ノット(時速約20km、激流海域の海面は平滑であるが、 その両側は激潮及び渦が発生し、渦の最大のものは直径15mにも達するものがある。海峡の幅は1.4kmと狭く、 大鳴門橋が架かっている。

(3) 来島海峡
燧灘と安芸灘をつなぐ瀬戸内海の要衝で第一の難所となっている。最強流速は10ノットを越えることがある。 また、海峡の中にある島々により四つの水道に分けられ、海峡を横断する来島海峡大橋が架かっている。

(4) 上関海峡
周防灘東部、長島と本州間、下関・中関と並び瀬戸内海の三関の一つで、海上交通の要衝となっている。 強流速は2.4ノット(時速約4.4km)、幅100mと狭く、海峡を横断する上関大橋が架かっている。

(5) 関門海峡
北九州と本州下関間、部埼から六連島に至る長さ約15海里(約27km)と細長く、船舶の通航できる幅は 広い所でも1海里(約1.9km)内外で、最も狭い所は約500mとなっている。最強流速は、8.5ノット(時速約16km)で、 船舶の交通量は極めて多く、瀬戸内海有数の難所となっている。

2 海で使用する単位
  海峡の概要の中で、海里・ノットを使っていますが、余り知られていないようなので簡単に説明してみましょう。 長さ、速さの単位は、計量法(法律第207号)によりメートル、キロメートルとすると定められていますが、 海面及び空中における長さ、航海及び航空に係る速さに使う単位は、計量単位令(政令第332号)により 特殊な使い方の単位の補助として海里、ノットを使っても良いことになっています。

(1)海里:
普通、陸上で距離を表す場合には、メートル、キロメートルが使われていますが、海上の距離の場合は、 海里(かいり)、英語ではマイル(Nautical mile, Sea mile)が使われます。国際海里の1海里は、1,852mと 決められていて、これは緯度1分の長さとほぼ同じになり、距離を測るのに便利な単位です。 (1海里=1マイル=1,852m)イギリス、アメリカで使われている陸上マイルは、1,609mです。

(2)ノット
自動車や電車等の速さは、時速何キロメートルといいますが、船の速さはノット(knot)を使います。1ノットとは、 1時間に1海里(1,852m)進んだ速さをいいます。従って、1時間に20海里進んだ場合は、その船の速力は20ノットとなり、 キロメートルに換算しますと、時速約37キロメートルの速さに相当します。
 参考:広島港県営桟橋から宮島の厳島港までの距離は、約8海里(約15km)で、8ノットの船なら1時間かかります。


番号にマウスカーソルを載せてみてください。海峡名が表示されます。
瀬戸内海の海峡