平成16年7月23日
海 上 保 安 庁
問い合せ先 海洋情報部環境調査課 主任環境調査官:下平 保直(しもひら やすなお) |
昨年末頃、種子島東方で発生した黒潮の小蛇行(図−1)が、九州東方から四国南方を発達しながら東へ徐々に移動していましたが、
海上保安庁の測量船及び巡視船の観測によると、20日現在、潮岬南方で著しく離岸し、遠州灘沖では蛇行が東へ移動(図−2)しています。
今後、大蛇行に発達した場合、数ヶ月から数年間遠州灘沖に存続することが考えられ、黒潮流域を航行する船舶や、操業する漁船等に影響を及ぼすことが予想されます。
なお、蛇行現象(図−3、黒潮の主な型)の変動については、これからも監視していくと共に、最新の日本周辺の流れや水温情報は、
海上保安庁海洋情報部のホームページ(http://www1.kaiho.mlit.go.jp/)で、
海洋速報及び海流推測図として提供しています。
過去の主な大蛇行(A型)発生時期(昭和30年以後) 平成1年12月〜平成2年10月 昭和61年12月〜昭和63年5月 昭和50年9月〜昭和55年2月 昭和34年6月〜昭和37年12月 ・大蛇行型(A型) 四国と伊豆海嶺(伊豆諸島を中心とした海底の高まり)の間で、黒潮が大きく南方に張り出すことがあります。 この時、遠州灘に大きな冷水渦(約150Km〜200Km)が現れます。これを黒潮の大蛇行と呼び、その状態は 数ヶ月から数年間継続します。 A型は特殊な現象というわけではなく、安定した流路の一つです。 ・非大蛇行型 大蛇行以外の型を“非大蛇行型”と呼び、直進型と蛇行型に分けられます。 直進型(N型):本州南岸に沿って、ほぼ直進して流れる型を呼びます。 蛇行型(B型):冷水渦が遠州灘に存在して、黒潮がその南側を迂回しているときB型と呼びます。 蛇行は伊豆海嶺の西側に見られ、A型ほど大きくはありません。 蛇行型(C型):冷水渦が伊豆諸島の東西にまたがって存在し、黒潮がその南側を迂回しているときC型と呼びます。 蛇行は伊豆海嶺の東西に見られます。 蛇行型(D型):冷水渦が伊豆諸島の東に存在して、黒潮がその南側を迂回しているときD型と呼びます。 蛇行は伊豆海嶺の東側に見られます。