2003年10月21日

2003年十勝沖地震に伴う地殻変動について

海上保安庁海洋情報部

海上保安庁のGPS連続観測点で観測された、9月26日に発生した十勝沖地震(4時50分頃、M8.0)に伴う地殻変動について報告する。

図1に今回の解析に使用した観測点の位置を示す。9月22日から9月29日までの期間について、釜石を基点とした釧路埼,尻屋埼及び宗谷埼の6時間データ解析(速報暦使用)を行った。解析はBernese V4.1を用いた。

釜石と各点間の基線変化グラフを図2〜4に示す。それぞれの点で地震に伴う不連続な変位が見られる。各点における地震前後2日間の平均値を比較して求めた変位ベクトルは図1のとおり。

さらに、図5に24時間データ解析(速報暦使用)による、釜石−釧路埼間の最近約2ヶ月間(8月1日〜10月17日)の基線変化グラフを示す。

上記釧路埼で見られた地震時の東北東への大きな変位の後、現在までの20日余りで、ほぼ南東への余効変動が観測されている。

(注: 基線変化グラフの時刻系はUTCである)

図1 観測点配置図及び変位ベクトル

図2 釜石から見た釧路埼の動き

図3 釜石から見た宗谷埼の動き

図4 釜石から見た尻屋埼の動き

図5 釜石−釧路埼間の最近約2ヶ月間の基線変化グラフ

[ 基線長変化グラフのダウンロード(釜石->釧路埼) ]

[ 基線長変化グラフのダウンロード(釜石->宗谷埼) ]

[ 基線長変化グラフのダウンロード(釜石->尻屋埼) ]

[ 基線変化グラフのダウンロード(最近約2ヶ月間,釜石->釧路埼) ]


[ 海上保安庁海洋情報部 ]