左の図は、流星群の活動が観測される時期の流星体の軌道と地球、それに流星体の元となる彗星との関係を模式的に示したものです。 流星体は彗星の軌道(水色の楕円)の周りに雲の様に薄く広がっています。この中を地球(緑色の小円)が通過する際に流星群が観測されます。 流星群のもとは彗星がその軌道周辺にまき散らした流星体ですが、このまき散らされた流星体の分布は一様なものではなく、 密集している部分やそうでない部分があります。そのため流星群の活動(出現流星数)も、地球が流星体の密集部分を通過しているのか、 逆に空疎な部分を通過しているのかによって大きな違いがあります。特に流星体が密集している部分を通過する際には、 流星雨(1時間に数千個)とよばれ、歴史的な大出現では流星嵐(1時間に数万~)とよばれる現象があります。 流星雨には、母天体である彗星の公転周期にほぼ一致した周期性をもって出現するものがあり、 ジャコビニ流星群の13年周期、しし座流星群の33年周期などが有名です。 |
流星群の名称 | 極大日 | 活動時期 | 放射点位置 | 極大時 出現数 | 備考 | |
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赤経 | 赤緯 | |||||
りゅう座ι群 | 01/04 | 01/01~01/05 | 230度 | +49度 | 40個/時 | 活動期間短 |
みずがめ座η群 | 05/07 | 04/25~05/10 | 337度 | -1度 | 10個/時 | 明方~昼間 |
おひつじ座群 | 06/08 | 05/29~06/18 | 44度 | +23度 | 60個/時 | 昼間流星群 |
ペルセウス座ζ群 | 06/09 | 06/01~06/16 | 62度 | +23度 | 60個/時 | 昼間流星群 |
おうし座β群 | 06/30 | 06/24~07/06 | 86度 | +19度 | 24個/時 | 昼間流星群 |
ペルセウス座群 | 08/12 | 07/29~08/17 | 46度 | +58度 | 40個/時 | |
オリオン座群 | 10/22 | 10/18~10/26 | 94度 | +16度 | 15個/時 | |
しし座群 | 11/17 | 11/15~11/22 | 153度 | +22度 | 10個/時 | 33年毎大出現 |
ふたご座群 | 12/14 | 12/07~12/15 | 113度 | +32度 | 40個/時 |
流星群の流星を詳しく観察すると、多数の流星の流れた経路の延長線がある一点に集まっていることに気づきます。
この点のことを放射点(または、輻射点)といいます。 流星群の多くは、この放射点の位置する星座(あるいは、近くの星)から名前をとって呼ばれます。 左の図は、流星群の流星の空に描く飛跡と放射点の関係を示したものです。 図に乳白色で描いたものが流星の飛跡で、青紫の線は流星の飛跡を飛んできた方向へ逆に延長したものです。 図に描いた5つの流星の飛跡がほぼ一点で交わっていますが、この点を放射点と呼びます。 |