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流星・流星群

流星

宇宙から地球の大気層に飛び込んでくる流星体と呼ばれる物体が、地球大気と衝突して発光する現象のことです。
流星体は塵のようなものから数千トンもの大きさのものまであり、 この内の大きなものは隕石として地上に到達するものもありますが、大部分は1グラム以下の小さなものです。

流星群

沢山の流星体が非常に接近した軌道を巡っていることがあり、この流星体の軌道と地球の軌道が交差する付近では 短時間に多数の流星が観測されます。この内、毎年定常的に観測されるものを流星群と呼びます。
観測される期間の長さや流星数は、流星群ごとに異なります。観測される流星数が最も多くなると考えられる日を極大日といいます。
流星群は、彗星がその軌道上にまき散らした物質によって起こるものと考えられており、著名な流星群のほぼ半数は、その元となった彗星が知られています。 なお、電波(レーダー他)観測が可能になってから昼間に活動する流星群もいくつか発見されています。

流星群、彗星、地球の関係
流星群模式図 左の図は、流星群の活動が観測される時期の流星体の軌道と地球、それに流星体の元となる彗星との関係を模式的に示したものです。
流星体は彗星の軌道(水色の楕円)の周りに雲の様に薄く広がっています。この中を地球(緑色の小円)が通過する際に流星群が観測されます。
流星群のもとは彗星がその軌道周辺にまき散らした流星体ですが、このまき散らされた流星体の分布は一様なものではなく、 密集している部分やそうでない部分があります。そのため流星群の活動(出現流星数)も、地球が流星体の密集部分を通過しているのか、 逆に空疎な部分を通過しているのかによって大きな違いがあります。特に流星体が密集している部分を通過する際には、 流星雨(1時間に数千個)とよばれ、歴史的な大出現では流星嵐(1時間に数万~)とよばれる現象があります。 流星雨には、母天体である彗星の公転周期にほぼ一致した周期性をもって出現するものがあり、 ジャコビニ流星群の13年周期、しし座流星群の33年周期などが有名です。


日本で観測出来る主な流星群

流星群の名称極大日活動時期放射点位置極大時
出現数
備考
赤経赤緯
りゅう座ι群01/0401/01~01/05230度+49度40個/時活動期間短
みずがめ座η群05/0704/25~05/10337度-1度10個/時明方~昼間
おひつじ座群06/0805/29~06/1844度+23度60個/時昼間流星群
ペルセウス座ζ群06/0906/01~06/1662度+23度60個/時昼間流星群
おうし座β群06/3006/24~07/0686度+19度24個/時昼間流星群
ペルセウス座群08/1207/29~08/1746度+58度40個/時
オリオン座群10/2210/18~10/2694度+16度15個/時
しし座群11/1711/15~11/22153度+22度10個/時33年毎大出現
ふたご座群12/1412/07~12/15113度+32度40個/時

流星群の放射点(輻射点)

放射点説明図 流星群の流星を詳しく観察すると、多数の流星の流れた経路の延長線がある一点に集まっていることに気づきます。 この点のことを放射点(または、輻射点)といいます。
流星群の多くは、この放射点の位置する星座(あるいは、近くの星)から名前をとって呼ばれます。
左の図は、流星群の流星の空に描く飛跡と放射点の関係を示したものです。
図に乳白色で描いたものが流星の飛跡で、青紫の線は流星の飛跡を飛んできた方向へ逆に延長したものです。 図に描いた5つの流星の飛跡がほぼ一点で交わっていますが、この点を放射点と呼びます。

実際の放射点は、点ではなくある程度の広がりをもっています。また、日毎に徐々にその場所も移動します。
流星群の見える時期は、流星体の軌道上に地球が位置している状態です。 しかし、各の流星体の軌道は少しずつ異なり、流星群全体で見るとその軌道は「線」というより細長い「筒」の様な状態にあります。 流星群の活動時期は、この「筒」の中に地球が入った状態です。これは長いトンネルに入った状態によく似ています。 トンネルの例では、1つ1つの流星は、トンネルの壁に取り付けた蛍光灯の様なものです。 近くの蛍光灯は1本の棒状に見えますが、この棒を延長するとみなトンネルの出口(遠いので点に見える)へ向かっているように見えます。 この例ではトンネルの出口の点が、流星群の放射点ということになります。