海上保安庁ではAOV(Autonomous Ocean Vehicle:自律型海洋観測装置)という観測機器で海洋観測を実施しています。 AOVは燃料を使用せず、波の上下動を推進力にかえ、観測機器等はソーラーパネルから電力を供給されます。 無人で長期間の観測を行っています。 風、波、気温・水温等様々な観測を行っており、観測データは人工衛星を通じて、リアルタイムで陸上に送信され、ホームページ上で公開しています。
フロートは長さ3mで、そこから延びる8mのアンビリカルケーブルに長さ2.5mのグライダーがつながっています。
観測項目 :重 量 :長 さ :平均速度 :
風向・風速気温、気圧波高・波向水温、塩分流向・流速潮位約170kg約3m約1.3kt
AOVは波の力で常時進み続け、一箇所に留まっておくことができないため、約5km四方の範囲の中を8の字を描くように観測しています。
AOVは人工衛星を通じて現在の状態確認、陸上からの遠隔操作や観測データの転送を可能としており、24時間リアルタイムで海象・気象データを得ることが可能です。
得られた観測データは自動的に各観測海域ごとのホームページに掲載されるようになっており、その海域の最新の海況を知ることが可能です。
安全対策 :
ライトパッシブレーダーリフレクター(レーダーで確認することができます。)AIS船舶接近時自動回避機能(AIS船を自動的に回避します。)旗・黄色塗装(目立つ色)運用状況の公表各観測海域の情報をホームページにて公表しています(下記の観測海域)。
AOV説明用パンフレットはこちらになります。
現在の観測海域の状況は下記のとおりです。海域をクリックしていただくと詳細な情報をご覧いただけます。 ※観測機器のメンテナンス等により観測海域を外れることがあります。
・長崎県肥前鳥島
肥前鳥島東方
・鹿児島県草垣群島
草垣群島周辺
・沖縄県粟国島
粟国島西方
管区名もしくは赤丸をクリックすると各観測海域のホームページへリンクします。
(平成28年度海洋情報部研究報告第54号)
海上保安庁が運用しているAOVの概要、作業手順、長期観測に向けて解決してきた取り組み及び成果。
(平成29年度海洋情報部研究報告第56号)
その後のAOV観測をよりよくするための工夫や観測成果。
(平成29年度研究成果発表会ポスター発表資料)
平成29年度海洋情報部研究報告第56号をポスター発表資料としてまとめたもの。