変位の累積性
繰り返し活動している断層では、下位の地層ほど見かけ上大きなズレを生じる。これを変位の累積性という。変位の累積性を持つ断層は、今後も活動すると推定され、活断層と判断される。
活断層の活動度
活断層は平均変位速度から活動度が区分されている。A級の活断層とは、1000年当たり1m以上10m未満変動するもの、B級の活断層は1000年当たり0.1m以上1m未満変動するもの、C級の活断層は1000年当たり0.1m未満変動するものを言う。大まかな目安としてA級の活断層は数百〜数千年、B級の活断層は数千年の活動間隔を持つ。A級の活断層の例としては丹那断層(1930年北伊豆地震)や糸魚川−静岡構造線(1200年前に活動の可能性)、B級の活断層の例としては、石廊埼断層(1974年伊豆半島沖地震)、C級の活断層の例としては深溝断層(1945年三河地震)などがある。なお、淡路島の野島断層は「新編日本の活断層」ではB〜A級とされている。
平均変位速度
断層の活動度を示すもので、その活断層が長期間に地層のズレを累積してきた平均的な速さのこと。平均変位速度が大きいほど活動が活発であるといえる。
活断層の長さと地震の規模
地表における活断層の長さと、これに関連した地震の規模との間には一定の関係があることが知られている(例えば松田(1975)の経験式など)。長い断層ほど大きな地震を引き起こし、20qの断層だとM7の、80qの断層ではM8の地震になると言われている。
リニアメント
直線状、または穏やかに曲線配列する地形的特徴。
(参考文献:新版地学事典;新編日本の活断層)