潮岬付近の黒潮流路

検潮所位置図

検潮所位置図

黒潮の流路には直進型と蛇行型の2つの安定したパターンがあり、黒潮が 潮岬に接近して流れる直進型の場合は、潮岬の西側(串本検潮所)では黒潮の暖水 の影響を受けて水温が上昇し、海水が膨張して水位が上がります。一方、 潮岬の東側(浦神検潮所)では、黒潮の暖水の影響を受けないため、串本の潮位が相対的に 浦神より高くなります。

これに対して、黒潮が潮岬から離れて流れる蛇行型の場合は、串本・浦神ともに 黒潮の暖水の影響を受けず同じ海水で覆われるため、 串本と浦神の潮位差は小さくなります。


串本と浦神の日平均潮位差

黒潮が潮岬に接岸しているかどうかを串本及び浦神検潮所(気象庁所管)の潮位データから推測

  • 潮位差が大きい → 黒潮が接岸
  • 潮位差が小さい → 黒潮が離岸
日平均潮位差(串本-浦神)
日平均潮位差(串本-浦神)

算出方法について

串本・浦神それぞれの潮位データについて、以下の処理を行っています。

  1. リアルタイム験潮データから毎正時の値を取得し、 データが80%以上あれば日平均を求める。
  2. 天文潮位から計算した日平均値を求める。
  3. 1から2を引いた後、高さの基準を合わせる(基準はTP:東京湾平均海面)。

最後に、串本のデータから浦神のデータを引いて差を算出する。

なお、串本と浦神は近傍のため、気圧補正は実施していません。

参考文献

  • 川辺 正樹、『黒潮の流路と流量の変動に関する研究』、海の研究(Oceanography in Japan) 12(3)p247−267、2003年
  • 道田 豊・小田巻 実・八島 邦夫・加藤 茂、『海のなんでも小辞典』、講談社、2008年、p.51-52.
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