『海図図式』について

 海図には、目では見えない海の深さ(水深)、船の錨を入れるときに必要な岩・砂・泥などの海底の底質、岩・砂・崖・護岸など海岸の種別、航海の目標となる煙突・建物・山などの陸域の状況のほか、道しるべとなる灯台や灯浮標(航路標識)、法律で定められた船舶の通り道(航路)、船舶の進入禁止の海域(航泊禁止区域)、停泊するために錨を入れる海域(錨地)など船舶が安全に航行するために必要な情報が記載されています。

1.距離と高さの基準について

海里 1海里(マイル)は、その地の緯度1分の長さをいいます。
なお、国際海里は、1海里(M)=1,852mを使用します。
水深 水深の基準は、その場所の最大干潮時の水面である最低水面を採用しています。
つまり、海図に記載されている水深は、潮が引いてもその水深より浅くなることはほとんどありません。
灯台・島の高さ 標高はその地の平均水面(潮の満ち引きがないと仮定したときの海面)からの高さで表示します。
海図上の海岸線 海岸線は、最大満潮時の水面である最高水面を基準とし、この海面が陸地と接する線のことをいいます。
橋・架空線の高さ 橋や架空線の高さは、最高水面を基準としています。
水深・高さの基準面一覧図

2.海図に使われている主な記号

記号 意味 備考
海図図式 石浜海岸線 石浜
海図図式 砂浜海岸線 砂浜
海図図式 マングローブが植生した海岸線 マングローブ
海図図式 運搬用架線、架空線 運搬用架線
架空線
数字は最高水面〜最低下垂部までの高さ
海図図式 送電線及び鉄塔 送電線及び鉄塔 数字は最高水面〜最低下垂部までの高さ
から隔離距離を差し引いた値
海図図式 灯台 灯台
海図図式 灯浮標 灯浮標
海図図式 危険全没沈船 危険全没沈船 (大縮尺ではその概略の形を示す)
海図図式 海流 海流 数字は流速(単位はノット)
海図図式 上げ潮流 上げ潮流 数字は大潮期の最強流速(単位はノット)
海図図式 下げ潮流 下げ潮流 数字は大潮期の最強流速(単位はノット)

 

主な底質記号 主な灯略記
記号 意味 記号 意味
S F 不動光
M Fl 単閃光
G Iso 等明暗光
St Oc 単明暗光
R 連続急閃光
Co さんご VQ 超急閃光
Sh 貝殻 Mo モールス符号光

※ 海図図式の使用例を、財団法人日本水路協会のホームページで紹介されています。
   こちらから、ご覧頂けます。  



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