潮汐で用いられる用語について、説明して下さい。
潮汐とは、「海面の緩慢な周期的昇降」を言い、 普通は1日約2回(場所によっては1日1回)生じます。
海面が最高になった時を高潮または満潮、海面が最低になった時を低潮または干潮と言い、海面が上昇しつつある間(低潮から高潮まで)を上げ潮(漲潮:チョウチョウ)、海面が下降しつつある間(高潮から低潮まで)を下げ潮(落潮:ラクチョウ)と言います。
高潮又は低潮の前後では、海面の昇降は極めて緩慢で、あたかも停止している様に見えることから停潮と呼ばれます。
下図に、ある日の潮汐の動きを模式的に示します。「潮汐」の漢字が、それぞれ「潮」が「あさしお」を「汐」が「ゆうしお」を指すように、日本付近は通例1日2回の高潮と低潮があり、それぞれの高さが違う時には、「高い」「低い」を付けて区別します。1日2回の高潮又は低潮を比較してみると、その高さは同じではなく、また相次ぐ高潮間低潮間の時間に差が生ずることが普通です。これを日潮不等と言います。
1日の高潮と低潮の潮位差を潮差、その半分を半潮差、また、長期間に渡って潮差を平均したものを平均潮差と言います。
海図の水深や潮汐・潮流の予報を掲載した「潮汐表」の潮高の基準面は、最低水面によりますが、船舶等の運航にとって何処まで潮が上がるかは重要な情報であるため、高潮の高さを特別に潮升(チョウショウ)と呼んでいます。特に大潮時のものを大潮升(ダイチョウショウ)、小潮時のものを小潮升(ショウチョウショウ)、と呼んでいます.
高潮や低潮の時刻は、月の運行と密接な関係があり,月がその地の子午線を経過(正中する)してからほぼ一定時間経過すると高潮又は低潮となります。この時間を高潮間隔あるいは低潮間隔と言い、長期に渡り平均したものを平均高潮間隔あるいは平均低潮間隔と言います。