海上保安庁では、船舶が安全な航海をするために必要となる航海暦(天測暦・天測略暦) を発行しています。 航海暦には毎日の天体の位置情報の他に、日・月出没時等も掲載しています。
また、航海暦を作成する際のデータを利用して、初日の出情報などをホームページで紹介 しています。
太陽の上端が地平線(または水平線)に接する瞬間を、日出・日没時刻と定義しています。
従いまして、日出とは太陽が地平線から顔を出し始めた瞬間、日没とは太陽が地平線に沈み きって見えなくなった瞬間になります。
日出・日没時間が場所によって違うことは、皆さんも感じたことがあるかもしれません。
例えば、関西から関東へ旅行に行った時などに、夕方暗くなるのがずいぶん早いと感じる ことがあります。そのため、日出や日没時刻は、普通に考えますと、東よりも西の方が遅 いと思う方が多いのではないでしょうか。
そこで、各季節における日出・日没時刻が同じになる地域を結んだ図(別紙)を作ってみ ますと、同じ緯度上で比べた場合は、日出・日没とも必ず東よりも西の方が遅くなります が、大阪と串本、また、琵琶湖と室戸岬等、緯度の異なる場所で比べてみますと、必ずし も東の方が早いとは限らないことが分かります。
例えば、大阪と串本では串本の方が東にありますが、夏至の頃は大阪のほうが日の出が早 くなります。
また、標高と日出・日没の関係ですが、高い山の頂上などでは、高さの分だけ地平線が下 がって見えることから、日出は早く、日没は遅くなります。
その語源は、薄暗くなった夕方は人の顔が見分け憎くなり、これが「誰ぞ彼(たれぞかれ) → たそがれ→ 黄昏」と言われています。
薄明は「市民薄明(常用薄明)」「航海薄明」「天文薄明」などに分けて考えることがあります。