Q:黒潮とは?

A:流れについて

北太平洋における主な表層海流

北太平洋における主な表層海流

黒潮は、日本の南岸に沿って流れる非常に強い海流で、亜熱帯循環(黒潮→ 黒潮続流→北太平洋海流→カリフォルニア海流→北赤道海流→黒潮)と呼ば れる時計回りの環流の一部です。


黒潮流路模式図

黒潮流路

フィリピンの東方を北上する黒潮源流とも呼ばれる流れが、台湾と与那国島の 間を通り東シナ海へ入ります。東シナ海では沖縄舟状海盆の北側の縁に沿って 北東に流れ九州南西沖で向きを変え、吐噶喇(トカラ)海峡を抜けて太平洋へ出ます。 その後、四国・潮岬沖を通り犬吠埼沖から東方へ流去しています (犬吠埼沖から東方へ流去する黒潮の最後の部分は、黒潮続流と呼ばれています)。

本州南方での黒潮の流路については、安定した2つのパターンがあり、真っ直ぐ に岸沿いを進む直進型の流路と遠州灘沖の冷水塊を大きく迂回して流れる蛇行型 の流路に分かれます。 以前は、蛇行型の流路は黒潮異状とも言われ、珍しい現象であるとも思われてい ましたが、海洋観測の蓄積に伴い蛇行現象は安定したもう1つの側面と捉えられ るようになり、現在ではどちらも正常な安定した状態であると考えられています。

なお、海上保安庁では黒潮の流路を 黒潮の型 として分類しています。

A:性質について

黒潮という名の語源は、その水が黒っぽい色(暗い藍色)をしていることに由来 します。 黒潮は南方からの海水を運んで流れていますが、南方の海水は栄養塩が低くプラ ンクトンが少ないため澄んでいて海に入射した太陽光線が殆ど吸収されるためです。 そのため黒潮の透明度は高く40m程度になります (これに対して、栄養塩が高いためプランクトンが多く、「魚類を育てる親となる 潮」という意味で付けられた親潮の透明度は低く10ないし15m程度です)。

黒潮の速さ(流速)は、場所によって異なりますが速いところで4ノット(約2.1m/秒) 程度で、黒潮流路は40海里(約74km)ほどの幅をもっています。 なお、黒潮の流軸は流路の内で最も流速が速い海域(最強流帯)を示し、黒潮北縁 から概ね13海里(約24km)に位置します。

黒潮の流量は、40~50Sv(Svは、体積流量の単位で「スベルドラップ」と呼び、 1Svは106m3/秒)になります (なお、 淀川の年平均流量が0.00027Svですから、約16万倍以上の水を運んでいることになります)。

また黒潮は、雨が相対的に少なく蒸発量の多い亜熱帯域から流れてくるため、親潮域に比べ塩分は高く なっています。

参考文献

  • 川辺 正樹、『黒潮の流路と流量の変動に関する研究』、海の研究(Oceanography in Japan) 12(3)p247−267、2003年
  • 永田 豊、『海流の物理』、講談社、1981年
  • 柏野 祐二、『海の教科書』、講談社、2016年