人工衛星レーザー測距観測

下里水路観測所 ではレーザー光を用いた人工衛星レーザー測距観測(SLR:Satellite Laser Ranging)を行っています。

観測の原理はとても単純です。下図のように、観測機器から人工衛星に向けレーザーを出し反射して返ってくるまでの時間を測ることで、観測機器から人工衛星までの往復にかかる時間を測定しています。

こうして求めた往復時間の半分と光の速さから、その瞬間の地上から人工衛星までの距離が求まります。

☆観測イメージ図☆☆観測の仕組み(アニメーション)☆

科学の発達した現在では、人工衛星の軌道はかなり正確に予報されていますが、ある程度誤差を含んでいます。そこで、下里水路観測所などの人工衛星レーザー測距観測の結果を活用して、より精確な衛星軌道を決定しています。また逆に精確な軌道と測距結果から下里の観測局の位置もより正確にわかります(例右下図)。

  
☆衛星軌道イメージ図☆☆軌道決定イメージ図☆

また、人工衛星の軌道を決定するには1箇所の観測では不十分で、地球規模の観測データが必要なことから、下里水路観測所を含めた世界各地の観測局は、国際レーザー測距事業(ILRS(International Laser Ranging Service))という国際組織に参画しています。


                                            (出典:ILRSホームページ)