先輩からのメッセージ (海洋情報部)
入庁11~15年目
![]() |
入庁13年目 | 在マレーシア日本国大使館 (出向中) |
---|---|
理学部 | 地球惑星科学科 |
採用区分:理工Ⅲ |
総合職採用試験を検討されているみなさん、こんにちは。メッセージを書けと言われて就職活動の頃を思い出してみますと、当時面白そうだと思っていたことと、仕事してみて面白かったなと思ったことは結構違っていたような気がします。
私自身は学科名の通り、地球科学系の勉強をしており地図を見るだけで何時間も過ごせる方なので現場で観測したり、データを解析したり、地図に起こしたりと実際に自分で作業をする仕事が面白そうだなと思っていました。しかしながら、私の場合は入庁した後若いうちに作業をする部署の担当になることが余りなく、あっても1年程度しか在籍しなかったので指示されたことをこなすことで終わってしまいました。
その代りに経験した仕事は、その時々の課題を自分が担当として取回すようなものが多かったです。こうした仕事では担当分野の知識量は、少なくとも現在いるメンバーの中では自分が1番詳しくなります。こうなってくると意見を求められるようになりますし、意見が通るようになります。そうするとより良い提案をしようと、もっと勉強してより詳しくなるという正の循環が発生していきます。こうした情報を集めて、分析し、解決策を提案し、実行するということが面白いです。
私は昨年まで海洋観測データを管理する部署にいました。この分野で課題となっていることの1つとして昔から、観測データを研究者が自分で管理して公開がされず、更に場合によってはそのまま散逸してしまうことがあります。欧米では、近年これに対してデータを公開することの義務付けや動機づけの取組が進んでいます。日本でも遅ればせながらこうした動きが出てきています。一方で、こうした海洋観測データ管理に関する近年の国際動向に詳しい人は日本国内にも多くいる分野ではありません。このため、本件に関しては自分が第一人者になるつもりで思って臨んでいました。
実際、海洋情報部内には○○の分野だったら□□に聞けと言われるような先輩も多くいます。私としても将来○○と言えばと言われるようになりたいと思っています。
今は、マレーシアにある日本大使館で、国土交通省関係の自動車交通、海事、航空、観光等を担当して日本・マレーシア間の協力推進、当地の制度の把握等を行っています。今までの経験とは全然異なる仕事で慣れずに戸惑うことも多いですが、出向は視野を広げる機会だと思うので、いろいろな専門家の話を聞きつつ、今後の仕事にも活かしていきたいと思っています。
![]() |
入庁13年目 | 環境調査課* 課長補佐 |
---|---|
農学部 | 専攻:海洋生物環境学 |
採用区分:農学Ⅳ |
皆さんは海保の仕事と聞いて、何を思い浮かべますか?海猿ですか?違いますか?
海猿を思い浮かべられた方には申し訳ございませんが、残念ながらこの総合職採用は海猿になるルートではありません。
我々総合職採用の職員は主に理系の大学を卒業し、特段の肉体的トレーニングを積むこともなく日々の業務に勤しんでいます。
改めまして、こんにちは。私は平成15年に入庁してから12年が経ち、この春から課長補佐というポストに就いています。
課長補佐とは、文字通り課のボスである課長を補佐して業務マネジメントを行いつつ、課の将来ビジョンを立てていく立場です。
責任も大きく重要な仕事であり、当然忙しいのですが、それだけやりがいがあり、充実した日々を送っています。
ほかの方々も書かれているように、海洋情報部は色々な業態を経験できる職場です。
行政事務だけではありませんし、かと言って研究開発一本でもありません。
私の場合は海外勤務に出てみたかったので、入庁以来ずっと希望を表明し続け、
念願適って平成23年にモナコにあります国際水路機関(IHO)という国際機関の事務局に出向し、
現職に就くこの4月まで4年間、貴重な経験をさせてもらいました。
海洋情報部の中心業務の一つは日本全国の海図を作成することなのですが、
国際水路機関はその海図の書き方についての国際ルールを定めているところです。
国際機関の事務局というと何となく文系の人が行く職場のような印象があったのですが、
国際水路機関の会議では、その性質上、非常に技術的な内容の議論が交わされており、
その事務局での仕事は、理系でもできる、いや、理系にしかできないものだというのが、私が最初に感じた印象でした。
ここでは世界の航行安全のために各国は何を行うべきか、またどういう戦略で臨むべきか、
そのために必要な国際ルールは何かといったことが日々議論されており、
世界から海難を一掃するという高い理想に向けて全力で邁進するというスケールの大きい公共奉仕の精神に触れました。
またフランス語での生活には苦労させられましたが、現地の歴史、風土、文化、習慣は日本にいては想像もつかないほど、
全く異なるもので、その中での生活からは人生が一変するような経験を得ました。
一旦大学を出ると、あとは学んだことを還元して働くだけだと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、
社会に出てからもまだまだ学ぶチャンスは多く、世界は拡がり続けます。
様々な業務に触れ、自身の世界をもっと広げ続けたいと願う冒険心を持ったそこのあなた!海猿ではない海保で私たちと一緒に働いてみませんか?
![]() |
入庁14年目 | 内閣官房総合海洋政策本部事務局(出向中) |
---|---|
理学部 | 専攻:宇宙地球科学 |
採用区分:理工Ⅲ |
理系区分で総合職国家公務員を目指しておられる皆さんこんにちは。
入庁から13年がたち、若手のカテゴリに入れてもらえない年になってしまいましたが、未だに、人事院試験や官庁訪問を行った時の記憶は鮮明に覚えています。当時、自分の大学での専門と官庁訪問先のパンフレットに書いてあった仕事を見比べて、「ここに入ったら、こんな仕事をするんだろうなぁ」などと勝手に予想していましたが、就職してから携わった仕事を振り返ってみると、予想は全く外れ、次々とやってくる予想外の案件に振り回される日々でした。
これは決してパンフレットの出来が悪かったという訳ではなく、求められる仕事の変化がとても速かったことが理由です。
ともすると、公務員の仕事は変化に乏しいように言われることがありますが、そんなことはありません。特に海の分野の行政は、この10年ほどの間で大きく変わり、目まぐるしく変わる外交情勢への対応が求められる、非常に難しい分野になりました。
私は今、海上保安庁から内閣官房に出向し、政府の海洋政策全般を調整する部署で参事官補佐(課長補佐)として働いていますが、国交省をはじめ外務省、防衛省、経産省、文科省といった各省から出向している上司や同僚達が、互いに様々な立場からの意見をぶつけながら、日々新しい課題に対応しています。
こうした環境に身を置いて、改めて実感したことは、正しい意思決定にとって、正確な情報がいかに大事かということです。海洋情報部は海の情報を政府内外に提供する専門機関として、自然科学データをはじめとして、社会科学的な情報も多数取り扱っています。この「海の情報を収集し、ニーズに合わせて提供する」海洋情報部の重要性は、政府内で今大きな注目を集めています。
変化の激しい仕事は大変です。しかし、同時に大きな充実感も得られます。当時の私の予想は業務内容としてもはずれましたが、今仕事で感じている充実感という意味も良い意味で想定外のものです。
海洋分野の行政に情報という切り口で挑む。もし、そうした仕事に興味を感じたなら、今の研究テーマとのマッチングはあまり気にしないで、一度海洋情報部を訪ねてみてください。皆さんの理系のセンスを生かせる仕事が、あなたの予想を裏切るかたちで待っていますよ!