先輩からのメッセージ (交通部) 平成27年度版
○H26入庁(2年目) | 整備課(法令審査室) | 「現場業務から施策展開まで」 |
○H24入庁(4年目) | 整備課安全システム開発室 | 「世界の海からこんにちは」 |
○H20入庁(8年目) | 交通部企画課 国際係長 | 「世界を相手にした仕事」 |
○H18入庁(10年目) | インドネシア共和国運輸省 | 「国際協力の最前線に立って」 |
○H14入庁(14年目) | 計画運用課 主任計画運用官 | 「『技術』をベースに幅広い政策展開を |
○H8入庁(20年目) | 第四管区交通部 企画調整官 | 「『海上交通の安全』に『技術』で貢献する」 |
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総合職技術系職員として採用され、2年目を迎えました。現在は、東京湾の管制一元化に伴う制度設計に携わっています。世界一通航量の多い東京湾の船舶の航行を新たな管制という手法でコントロールするための制度の構築という交通部におけるビッグプロジェクトを実行する一員として尽力しています。
○入庁まで
学生時代は、伝熱工学を専門とし、火災旋風という都市部での大規模な火災の際に発生する旋回流の動静把握を研究テーマとしていました。
そんな海上交通とは畑違いの分野を専攻していた私ですが、官庁訪問の際に技術的な業務はもちろん、幅広い業務に携わることの出来る環境に興味を持ち、海上保安庁交通部を志望するようになりました。
○入庁後
入庁1年目は交通部整備課で航路標識の保守を担当しました。海上保安庁では、船舶交通の安全を確保するため、灯台や灯浮標などの航路標識を設置しています。航路標識の機能低下は海難や船舶接触を引き起こす原因となりうるため、保守を一定の頻度で実施しています。自身も日本最南端の灯台である沖ノ鳥島灯台の定期保守に参加しました。点検後に灯台が正常に点灯した際は大きな充実感を感じるとともに、一見地味である保守点検の重要性を再確認しました。
○求める人物像
交通部においては、航路標識の整備から海上交通に関する施策展開まで幅広い分野を扱います。そのため、様々なことに問題意識を持ち、問題点を大局的な観点から判断し、解決するといった面を重視しています。
○おわりに
入庁後は学生時代のような形での勉強をすることはありませんが、業務内容について積極的に学ぶ姿勢は必須となります。業務内容が学生時代の専攻の分野と異なっても、学生時代に身につけた能力を発揮する機会は多数存在します。
「技術」を元に、現場業務から施策展開まで行える海上保安庁で勤務してみませんか。海上保安庁では皆さんの訪問をお待ちしております。
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交通部採用、入庁4年目職員の原学と申します。この原稿を執筆している現在は、海上保安庁が保有する練習船こじまに乗船し、世界一周の遠洋航海研修に参加しています。
○海上保安庁を志望した理由
私はエネルギーや技術開発といった分野に興味を持っていたことから、学生時代は燃料電池等に使用されるイオン伝導体の物性研究をしていました。また、修士課程修了後の進路として、自分が興味を持っている分野に携わることのできる仕事をしたいと考えていました。
そんな中、たまたま参加した海上保安庁の業務説明会で、航路標識の自立型電源化や航路を効率的に使用するための浮体式灯標の開発といったエネルギーや技術開発に関する海上保安庁の取組みを知ったことから海上保安庁に興味を持ち志望するようになりました。
○これまでに経験した仕事
入庁1年目は交通部整備課で、海上交通管制に使用する機器の整備を担当しました。海上保安庁では、多くの船舶が行きかい海上交通の要所となっている東京湾等に海上交通センターを設置し、海上交通の安全確保に務めています。この重要業務に使用する装置の整備を担当できたことは非常にやりがいを感じましたし、自分が整備した装置が実際に運用されている様子を見た際には大きな達成感を得ました。
2年目からは総務部政務課で海上保安庁の全庁的な政策決定に係る仕事に携わりました。政務課は海上保安庁の政策の方針決定を行う、言わば海上保安庁の舵取り役をする部署です。政務課での仕事を通じて政策決定の過程の一端を担えたことは大きな経験になりました。
○海上保安庁の魅力
海上保安庁は現場をもっており、自分が整備した機器が実際に運用されているところを身近に感じることが大きな魅力です。また、技術系採用の職員でありながら、大きな政策決定に係る仕事に携われることや世界一周の遠洋航海研修に参加できる機会があること等、技術的な仕事に限定されない業務の幅も大きな魅力です。
○求める人物
交通部では、航路標識に使用されている無線関連の機器等に携わることが多いく、工学的な知識は有るに越したことはないですが、それ以上に「問題点を見つけ、それをどう解決するか」という理系的な考え方ができることを重視しています。私を含めてこれまでに採用された職員も、様々な専攻分野・経歴の人が採用されています。
○おわりに
海上保安庁は大きな省庁ではありませんが、海に関することならほぼ何でも扱っています。今、海上保安庁にあまり興味を持っていない方でも、興味を持てる海上保安庁の取組みが見つかると思います。ぜひ一度業務説明会等に来ていただければと思います。
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皆さま、ご覧いただきありがとうございます。平成20年度入庁で8年目になる、国際係長の益原です。
私は所謂「鉄道オタク」という輩です。大学/大学院時代には機械を専攻して、鉄道車両振動の研究に従事しておりました。当時は公共交通・物流のあり方が大きく議論されており、研究ニーズの分析のため市民会合や国際会議などに多数出かけていました。その際、あるべき交通体制の最終的実現には、それを解決する技術の開発そのものだけでなく、その技術の特性を網羅的に理解しつつ現実とマッチさせられる行政が不可欠であり、それに従事したいと認識しました。国際会議で海外の鉄道オタクの物凄さに圧倒されつつ、そのオタクらと現実のギャップに強い不安を覚えたこともあって、公共交通・物流のうち趣味意識を持ち込みそうな分野を避け、海上交通に係るドメスティックな技術行政に進もうと思い、当庁交通部を選択した次第です。
入庁後2年間は整備部門において、VTS(船舶通航サービス)を実施する海上交通センター等で使用するシステム・機器の整備を担当しました。次の2年間は国際係員として海上交通に係る国際企画・調整に携わり、国際機関における我が国発技術の標準化や、発展途上国への技術支援等に邁進しました。
入庁5年目から3年間は、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)に出向しておりました。機構では、平成26年に打ち上げた災害状況把握・海上船舶監視に用いる衛星「だいち2号」や、欧州宇宙機関と共同開発中の雲観測に用いる衛星/センサ「EarthCARE/CPR」の地上システム開発・運用を担当したほか、種子島での衛星打上げにも参加しました。毎月1回は欧州の技術者と仕様調整や技術要件審査で議論していたものです。
この8年目には、また海上交通の国際企画・調整に携わっております。これらの業務でほぼ共通しているのは、「特定の技術に集中するのではなく、広い技術的知識を事務的知識と併せて用いること」「技術用語を含む英語を道具として使うことを前提としていること」でしょうか。
総合職(技術系)の採用として、我々交通部の求める人物像があるのは皆さん他の方のメッセージでも読んでいただけていると思います。技術者としてのセンスと、行政官としての幅広さと、そして総合職らしさとして基底線にある教養力と。私に満ち足りてるとは思っていませんが、そんな力を取り揃えた方を歓迎しております。
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皆さんは「国際協力」という言葉にどんなイメージを持っていますか。
アフリカの貧しい子供たちへの支援、コミュニティの開発、灌漑の整備など幅広いフィールドがあります。
実は、海上保安庁にも、国際協力に関する仕事はたくさんあり、その中の一つとして、私は、今、インドネシア共和国の運輸省でJICA専門家として働いています。
私が担当しているのは、インドネシア国内における海上交通の一層の安全を確保するプロジェクトで、日本が長年培ってきた海上交通分野の経験やノウハウをインドネシア側に移転するのが役割です。
これだけ聞くと、簡単な仕事と思うかもしれませんが、インドネシアは、気候、習慣、宗教、言語など様々な分野で日本とは大きく異なり、当然ですが仕事の進め方も全く違います。インドネシアに着任して数か月、私はインドネシア運輸省の中で多くのインドネシア人と共に仕事をしていますが、相手を尊重しつつ、どのように仕事を進めればいいか毎日悪戦苦闘しています。それでも、学生の頃からいつか携わりたいと思っていた国際協力の仕事に対して、大変やりがいを持って仕事をしています。
私は、海上保安庁入庁後の9年間、霞が関で交通部門を中心に仕事をしてきました。整備部門、計画部門、安全部門、時には総務部門を経て、海上保安官としての様々な経験を積み、そして今年、念願だった国際協力の舞台に飛び込むこととなりました。
私が皆さんに伝えたいのは、学生時代に思い描いていた将来の自分は、海上保安庁でも何らかの形で実現することができます。是非、一度、海上保安庁を訪問し、いろいろな話を聞いてみて下さい。きっと、新しい何かが見つかると思います。皆さんの訪問をお待ちしています。
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海上保安庁交通部と聞いて、皆さんは何をイメージするでしょうか。多分、何もイメージできない人が大多数でしょう。ですが海上保安庁ならイメージできる人が多いと思います。「海猿」で有名になりましたからね。海難があったら救助するという海猿がイメージしやすいと思います。
では、もし海難がなかったら。
海難で国民は命・財産を失うことなく、さらに海猿も救助に向かわなくて済む。究極的に海難ゼロを目指している組織それが海上保安庁交通部です。
その海難ゼロを達成するために、交通部はさまざまな政策ツールを持っています。海上交通三法をはじめとする法令、海の道しるべとなる航路標識などです。その政策ツールを用いるフィールド全体が技術職の活躍の場です。
交通部の技術には、電気電子、光工学、無線工学、情報工学、土木建築などが用いられますが、当然、大学でそのような勉強をしていた方が業務に有益です。ただ、それよりも大事なものが、技術的な論理的思考をベースにした課題解決能力です。必要な技術は、そのような論理的思考、課題解決能力があれば、入庁してから勉強して取得可能です。
私は都市工学という海の交通に関係の薄い専攻でしたので入庁してから苦労はしましたが、現在必要な技術を取り扱って政策立案しています。
これが出来るのも現場に行く機会があることが大きいと思います。本庁で設計した機器、ルールが現場でどのように使われるか出張で実感するだけでなく、管区本部、保安部の現場に赴任したときに、それらを実際に用い、さらにどうすればいいのか考えることができる。
実際の現場の技術力に裏打ちされた政策展開が出来る、それが海上保安庁交通部の魅力だと思います。訪問お待ちしております。
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海上交通の特徴はそれぞれの海域で異なります。第四管区は、管内に製造業を中心とした中部経済圏を擁しており、輸出入に伴う海上輸送の割合は高くなっていることから、その安定は重要課題となっています。ちなみに名古屋港は、貨物・貿易取扱量日本一です。その一方でマリンレジャー、漁業活動も盛んなこの海域の海上交通安全の確保のため、第四管区海上保安本部では様々な施策を推進しています。私は、それを担う交通部の企画調整官として、管区本部が実施する海上交通行政に関する企画立案や総合調整に携わっています。
海上保安庁に入庁して、海上交通行政に携わるようになってからあっという間に20年がたってしまいました。海上用ディファレンシャルGPSシステムの導入に必要な機器の調達、VTS機器の設計・調達など技術系らしい仕事もしましたが、海上保安庁の政策の総合調整、危機管理、海上交通に関する国際会議対応などの国際業務、救難業務、JICAを通じた東南アジア諸国への技術協力など、入庁当初は考えてもいなかったような業務に携わることができました。そういう意味では、当初私が考えていた自分の適性とは違う分野への適性を見出してくれたのだと感謝し、またそういう業務にやりがいを感じています。ですが、やりがいを感じるそのバックボーンには、自分に「技術」という裏付があるからだとも感じています。施策を実行するには技術の裏付も必要です。技術を理解し、その限界を見極めた上でそれを施策に反映させる、それが出来るのは技術系職員をおいてほかにいません。
技術者として見たときの海上保安庁での業務の魅力とは何か、その一つは現場を持っていることです。自分が設計・積算・検査などで携わった機器が、実際に現場で使われ、航行安全に寄与している姿を見て、達成感を味わう、技術者としては至福の喜びでしょう。また、航行援助施設・危機の世界ではわが国で唯一無二の存在である、つまりトップランナーであることもその一つです。それ故業務に直結することを研究している大学などはありませんが、それはどんな分野の技術者でも海上保安庁で活躍する場があるということです。さらに海に関することはなんでも取り扱っている海上保安庁では、技術に限らず、海に関するさまざまな分野での業務に携わる可能性がある、それも魅力の一つでしょう。
さあ、あなたも「海上交通の安全」に「技術」で貢献してみませんか?海上保安庁はいつでも門戸を開いています。