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九州南方海域における大東海嶺群の地震波速度構造

九州南方の海底地形を特徴付ける沖大東海嶺群


九州の南方の海域には,大東海嶺群と呼ばれるいくつかの海底の高まりが分布する場所があります. その中でも大きな地形は,右の拡大図に示しますように,北から奄美海台,大東海嶺,沖大東海嶺(広義)で, 東西から北西ー南東の走向を持つ細長い高まりを形成しています. 海上保安庁では,これらの地形の高まりの地下がどのようになっているかを調べるために,地震波を使って速度構造の調査をしました.
沖大東海嶺群のP波速度構造断面図

右図の黒太線の3測線について左図にそれぞれの断面図を示しました.奄美海台,大東海嶺および沖大東海嶺の地震波速度構造は,一様ではなく, 水平方向に大きく変化しています.それでも,ほぼ共通の性質として,P波速度が6.3-6.8 km/sの中部地殻(黄緑色の領域)を持ち, 最上部マントル速度が7.6-7.8 km/sで,地殻の厚さは15-25 kmであることがあげられます.海洋底拡大で生じた標準的な海洋地殻は中部地殻を持たず, 最上部マントルの速度はおよそ8 km/s,地殻の厚さは7 km 程度ですから,これらの大東海嶺群の高まり下の構造は海洋地殻とは大きく異なります. むしろ,日本列島や伊豆・小笠原島弧の構造に類似しています.大東海嶺群の海底から採取された多くの岩石は島弧的な性質を持つことが知られていましたが, 今回の調査により,海底下も島弧的な構造をしていることがわかりました.南西諸島海溝北東端部には, 海洋地殻よりも有意に厚い島弧の地殻を有する奄美海台が沈み込もうとしています.


参考文献:Nishizawa et al. Earth, Planets and Space 2014, 66:25

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