☆★海の雑学コーナー★☆
○ 海の広さと深さ
海の表面積は約3億6千万平方キロメートルです。これは地球の表面積約5億1千万平方キ
ロメートルの約70%を占めています。日本海の面積は約100万平方キロメートル、日本の
陸地面積は約38万平方キロメートルですから、海がいかに広大かがわかります。
世界の最高峰はチョモランマ(エベレスト)の8,848mですが、世界で一番深い海はフィリ
ピン東方沖のマリアナ海溝にあるチャレンジャー海淵(かいえん)の10,920mです。これは
海上保安庁の測量船「拓洋」によって1984年に測られたものです。
でも、そんな深い海、どの様にして測るのでしょうね?(「海の測り方」を見てください)
参考文献:「理科年表(丸善株式会社)」等
○ 海と陸の境は?
海と陸の境はどこでしょう。この境のことを「海岸線」と言いますが、海岸線を決めるのは何
なのでしょう。
海岸は常に波があり、潮が満ちたり干いたりしてますから、水のあるところと陸との境界は
絶えず変わります。そこで日本の海図では、海岸線を海面が満潮の「最高水面」時としていま
す。最高水面というのは、その場所の年間を通しての満潮を観察して、もうこれ以上には海水
が上がって来ないであろうと考えられる海面のことです。
一方、国にとって重要な領域を決める基準となる線は、満潮とは反対の干潮(低潮)の時、
即ち、もうこれ以上には海水が干かないと考えられる海面、「最低水面」が領海を決める基準
となっています。
○ 七つの海
七つの海の対象は時代や民族によって異なっていました。海に乗り出した古代エジプトや
フェニキアにとっての海は地中海で、世界の海の中心とされました。その後、帆船で航海した
中世の時代は、紅海、ペルシャ湾、アラビア海、ベンガル湾、南シナ海、地中海、大西洋を
七つの海と呼んでいました。
現代では、太平洋と大西洋を南北に分け、七つの海は、北太平洋、南太平洋、北大西洋、
南大西洋、インド洋、北極海、南極海を指しています。
参考文献:「海の名前(東京書籍)」
○ 日本海誕生
日本海の海底の特徴から、日本海誕生のシナリオは以下のように考えられています。
今から3000万年以上前には日本海は存在せず、日本列島はユーラシア大陸の一部でし
た。約3000万年前に激しい火山活動とともに大陸地殻が割れ始め、新しい海が誕生し、日本
列島は南に移動していきます。このようなことが起る原因は地球深部のマントルの作用に関
係があると推定されています。
参考文献:「海洋のしくみ(日本実業出版社)」
日本海の鳥瞰図 (海上保安庁海洋情報部資料)
○ 領海、排他的経済水域(EEZ)
領海とは沿岸国の領域の一部で、我が国では沿岸から12海里(約22km)内の水域を指し
ます。また、排他的経済水域(EEZ)は沿岸から200海里(約370km)の水域で、沿
岸国に生物・非生物の資源の探査・開発に関する主権的権利が認められています。
日本の国土面積は約38万km2で世界で60番目くらいですが、領海とEEZの面積は約447
万km2で世界第6位となります。
参考文献:「広辞苑(新村出版)」、海上保安庁
○ 海が青いのは?
コップに汲んだ海水は無色透明ですが、海の色は青色をしています。
海に太陽光線が入ると虹の七色のうち、波長の長い赤から順に吸収され、青い光だけが
海中に浮遊する微細な粒子や生物に当たってはね返り、深い海では波長の短い青だけが
残って青く見えるのです。
海には蒼、紺、碧、藍… いろいろな青があります。これは水深、海底物質の色、空気中の
水蒸気の量や太陽光の確度、海水中の微粒子等により微妙に色が変化するからです。
参考文献:「海の名前(東京書籍)」
○ 海水が塩辛いのは?
海水がたいへん塩辛いのは、皆さんよくご存知ですね。海水にはナトリウムイオンや塩素
イオンをはじめとして、天然にある92の元素がすべて溶けており、これが塩辛さの原因となっ
ています。
塩辛さの度合いは塩分と呼ばれています。外洋のでは海水1kgに約35g(約3.5%)の物
質が溶けていますが、河川水が流入している沿岸域では真水との混合で塩分の濃度は多少
低くなっています。一方、塩分濃度が世界一濃いことでも有名なヨルダンとイスラエルの間に
ある死海(湖です)では、塩分濃度は30%前後といわれており、身体を浮かして新聞が読める
とのことです。
参考文献:「海のはなしU(技報堂出版)」
○ 赤潮(あかしお)と青潮(あおしお)
赤潮とは、プランクトンが異常増殖して海面に漂い赤く変色する現象を言います。廃水や
養殖による汚染、河川の流入などが原因とも考えられており、内湾や沿岸で多く発生します。
プランクトンの種類によって発生時期、色などは異なり、春から夏にかけて赤いものが多く
一般的に赤潮と呼ばれています。
一方、青潮は海底の酸素の少ない海水が風などの影響で上昇して、魚介類に影響を及ぼ
す現象です。海水は青色か乳白色になります。海底付近の海水中の酸素が少なくなるのは、
大量の有機物を含んだヘドロと呼ばれる軟弱な海底の堆積物中の有機物が分解される過程
で大量の酸素が消費されるためです。
島根半島沖の赤潮(2005年5月31日) 巡視船「くずりゅう」撮影
○ 潮目(しおめ)
海面に筋のような縞(しま)が浮いて見えることがあります。また、河口や海水が海にそそぎ込む
付近にも、水色が はっきりと違う場所や水面に筋の見えるところがあります。このような場所は、
その水面に木片や海草などのたくさん の浮遊物が集まっています。
潮目は、このような海流と海流、海流と沿岸水など互いに異なった性質の潮が接する境目のことを
いいます。密度や温度などが違うためはっきりとした分かれ目できるのです。
○ 鳴き砂
海岸の砂浜を歩くと、キュッキュッと音のする所が、全国に何か所かあります。この音を出
す砂のことを「鳴き砂」、「鳴り砂」と言い、その砂浜を「鳴き浜」と呼んでいます。
この砂の音は、乾燥した砂粒の直径が0.25ミリから0.5ミリで、丸みのある石英質の砂
粒がこすれあうことによって出ています。このような砂が出来る条件として、綺麗な海水があ
って、長い間、砂浜を洗い続けることと、激しい波の作用が必要であると言われています。
日本には数十か所もあったと言われていた鳴き浜も、今では大変少なくなっています。
「鳴き砂」や「鳴り砂」のことを、英語では「ミュージカル サンド」と言いますが、島根県にある
「琴ヶ浜(ことがはま)」、丹後半島の「琴引浜(ことびきはま)」の名称からは、何となくその雰
囲気が感じられます。
参考文献:「九管区海の相談室」
琴ヶ浜(島根県大田市、2019年10月29日当部職員撮影)
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