本調査は石川県河北郡内灘町権現森海水浴場において、離岸流の発生のポイントを把握するために砂浜から海岸線に沿って平行に着色剤を散布し、着色剤の流れの状況を撮影する方法で行いました。
また、
当庁の潜水士による漂流実験及びDGPS内蔵型漂流ブイ(以下「漂流ブイ」と言う)による観測を行いました。
調査海域 |
5月25日の状況
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・5月25日 並岸流が観測されました。 場所:海水浴場中央付近 漂流ブイによる流路・流速の観測及び着色剤による離岸流観測を実施しました。 ほか、当庁の潜水士による漂流実験を実施し、離岸流の危険性について調査しました。 漂流ブイによる観測と潜水士による漂流実験では、沿岸に沿った強い流れ(並岸流)を確認しました。 (本日は、沖に向かう流れ(離岸流)は確認されませんでしたが、風向きや風の強さの変化等により離岸流の発生 及び発生箇所は変化しますので、注意が必要です)。 その際の潜水士による体験では、「強い流れで、抵抗も出来ず流れに体をもって行かれた」とのことでした。 着色剤による観測では、波が高く、砕けた波(砕波)により散布後直ぐにもみ消されてしまい調査は困難でした。 |
5月26日の状況
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・5月26日 離岸流が観測されました。 場所:海水浴場北東付近 着色剤による観測を行った結果、沖に向かう強い流れ(離岸流)を確認しました。 |
・調査時の様子 (砂浜側から見た状況)
両日共に、波が高い状態(波高1.5m程)でした。 この様な条件下では、今回の調査結果以上の強い離岸流が発生する可能性があります。 また、平穏な時にも離岸流が発生している可能性があります。 十分注意が必要です。 |
・着色剤散布の様子 海水浴場の砂浜から散布しました。当日は波が高く荒れ模様でした。 波と人を比較してご覧下さい。 5/25 14:00 風速:約2.5m/s 風向:南西 14:25 風速:約3.0m/s 風向:西 5/26 09:43 風速:約3.0m/s 風向:南西 10:00 風速:約4.7m/s 風向:南西 |
5月26日に確認された離岸流です。
・5月25日
・5月26日
・調査結果
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着色剤散布箇所(5月25日)
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岸から海岸線に沿って平行に着色剤を散布しました。 着色剤は散布後、波によって拡散され、すぐに消えてしまう結果となりました。 その後、漂流ブイ及び潜水士による離岸流調査を二回行った結果、強い並岸流を観測しました。 一回目の観測結果は約1.4m/sの並岸流、第二回目の観測結果は約1.1m/sの並岸流を観測しました。 |
イ.並岸流 | |
1.第一回目観測 潜水士は50秒後に岸に沿って(写真右側:北東方向)約71m流されました。 並岸流の平均流速は約1.4m/sと推測されます。 |
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1.第二回目観測 潜水士が107秒後に岸に沿って(写真右側:北東方向)約122m流されました。 並岸流の平均流速は約1.1m/sと推測されます。 |
着色剤散布箇所(5月26日)
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着色剤が少量では波にもみ消されてしまうので、海岸線上の二箇所に、それぞれ大量に撒きました。 まず、始めに北点から着色剤を投入し、その後、南西方向約30m移動し、着色剤を投入致しました。 二つの着色剤は散布後、岸に沿って北東方向に流れ、その後離岸流にのって沖に流れていきました。 |
イ.離岸流 | |
1.着色剤投入(一箇所目) 着色剤が少量では波にもみ消されてしまうので、一点集中にて大量に撒きました。 |
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2.着色剤投入後46秒後 着色剤を投入後は約1分間は写真右方向に漂っていました。 その後、離岸流にのって沖に流れ始めました。 離岸流は目視で確認でき、沖方向に着色剤がぐんぐん流されていきました。 |
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3.着色剤投入後2分10秒後 離岸流が観測されたため、その地点に再度着色剤を投入致しました。 沖に約60m流されていきました。 約0.5m/sと推測されます。 |
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4.着色剤投入(二箇所目) 南西方向約30m移動し、着色剤を投入致しました。 当日は波が強く、一点集中で大量に着色剤を撒きました。 |
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5.着色剤投入後39秒 投入後、着色剤は周囲を漂っていました。 その後、写真右側に向かって弱い流れにのって漂いはじめました。 |
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6.着色剤投入後1分18秒 離岸流の流れにのって沖に流れ始めました。 |
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7.着色剤投入後3分27秒 沖に約60m流されていきました。 約0.3m/sと推測されます。 |
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8.着色剤投入後4分52秒 着色剤が沖に約60m流された後、写真右側方向に流されていきました。 |
海で遊んでいるときに、どんなに気をつけているつもりでも沖に流されたりした場合は、落ち着きましょう。
※また、監視員やライフセーバーがいる海水浴場を選ぶことも大切です。