現行の暦法
閏(うるう)年はどうしてあるの?
1年365日といいますが、4年毎に366日となる(2月29日のある年)年があります。
この年を「
閏(うるう)年」といいます(365日の年は「
平年」)。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。
この原因は、1年の長さ(地球が太陽の周囲を一周する時間)が1日の長さ(地球が太陽を基準にして、1回転自転する時間)で
割り切れないことにあります。
では、1年の本当の長さは何日なのでしょうか。
1年(太陽年)=365.2422日(太陽日)
1年の長さが、365日よりちょっと(約5時間49分)長いようです。
ですから、もし全ての年を365日とすると、約4.1年で1日、100年で24.22日分、暦が実際の季節より先行することになります。
この様に、
暦と実際の季節がかけ離れてしまうことを防ぐために、閏年を設けて調整しているのです。
現在、用いられている太陽暦(
グレゴリオ暦)では、閏年を次のように決めています。
- 西暦年が、4で割り切れる年は、閏年とする 例 1996年
- 1であっても、100で割り切れる年は平年とする 例 1900年,2100年,2200年,2300年
- 2であっても、400で割り切れる年は閏年とする 例 1600年,2000年
身近な年としては、西暦2000年は、上記の3に当てはまりますので、閏年となります。
グレゴリオ暦に従って閏年を設けると、
400年間に97回の閏年が入ります。
グレゴリオ暦での400年間の日数と400太陽年の長さを比較すると
- 400年の長さ
- グレゴリオ暦 146097日
太陽年 146096.88日
ご覧のように、400年で0.12日(約3時間)の差が生ずるだけです。
グレゴリオ暦より、差の小さな
置閏法(閏年の入れ方)も考案されていますが、閏年の置き方が簡単で覚えやすいことから、
今でもグレゴリオ暦が広く使われています。
なお、一般に
旧暦と言われている太陰太陽暦では、閏月が入る年を閏年と言いましたが、
閏月の置き方については「
閏月」をご覧下さい。
改暦(ユリウス暦からグレゴリオ暦へ)
原則として、4年毎に閏年を設ける現在の暦のもとになった暦法を
ユリウス暦といいます。
ユリウスは、あのローマ帝国の終身独裁官となったユリウス・カエサル名前です。
彼が、今から2000年ほど前の時代に天文学者に命じて作らせた暦法なので、彼の名を冠して呼ばれています。
ユリウス暦は現在知られている太陽年と比較すると、1年の長さが平均して
11分少々長くなります。
1年で11分ですからわずかな差のようにも思われますが、ユリウス暦は1000年以上も使われていましたから、
わずかな差も積もり積もって無視できない差が生じてきました。このため、ユリウス暦を改める(
改暦)必要が生じました。
ユリウス暦からの改暦は
1582年、ローマ法王
グレゴリオ13世が命じて行いました。
これが、現在世界で広く用いられることになるグレゴリオ暦の始まりです。
この時の改暦では、
1582年10月4日の翌日を10月15日(10日省略)とし、以後は400年に3回閏年を省くようにしました。
グレゴリオ暦への移行は、世界中がすぐに行ったわけではなく、国々の事情で違いがありました。
ちなみに
日本がグレゴリオ暦へ移行したのは明治6年(1873年)になってからです。
日本の改暦
日本においては、長い間太陰太陽暦が使われていましたが、明治6年に太陽暦(グレゴリオ暦)が採用されました。
明治の改暦の直接の動機は、財政問題であったといわれています。
詳しくは、
明治の改暦をご覧下さい。