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新潟県長岡市寺泊中央海水浴場付近の離岸流調査結果(平成21年6月15日)

 本調査は新潟県長岡市寺泊中央海水浴場において、離岸流の発生のポイントを把握するために砂浜から海岸線に沿って平行に着色剤を散布し、上空のヘリコプターにより着色剤の流れの状況を撮影する方法で行いました。

 なお、同じ海域(寺泊中央海水浴場)にて5月に実施した離岸流調査結果はこちらをご覧下さい。

シーマーカー(着色剤)による調査

図1 調査海域

調査結果 (詳細は後述しています)


図1 6月15日の一回目散布状況
第1回目着色剤投入

 1箇所で離岸流が観測されました。

 流速は最大秒速約1.20m(約2.22ノット)程度と考えられます。約300m程沖に出ると流れは弱めになりました。
 
 海岸線付近では沖に出る強い流れを観測することができました。

 離岸流は5月の調査とは異なる位置で観測されました。
 また海岸形状も5月とは異なっていました。比較


図2 6月15日の二回目散布状況
第2回目着色剤投入

1箇所で離岸流が観測されました。

 流速は最大秒速約0.48m(約0.90ノット)程度と考えられます。約137m程沖に出ると流れが弱くなってきています。
 
 海岸線(砂浜)付近では横に移動する流れ(並岸流)が確認できました。

 第2回目で離岸流が観測された位置も5月の調査とは異なっていました。



・6月15日の調査時の様子 (砂浜側から見た状況)


風が強く、波が高い状態(風:最大で約6.0m/s、波高:1.0m程)
でした。この様な風が強く、波が高い条件の時には、強い離岸流が
発生している可能性があるので、十分な注意が必要です

 (参考:寺泊地域気象観測所15時観測の風向風速:北の風、 2.0m/s 気象庁HPより)

・着色剤散布の様子
 海水浴場の砂浜から散布しました。当日は沖から吹く風(最大で約6.0m/s)及び波(約1.0m程度)がありました。離岸流が確認された気象・海象条件です。波の状況をご覧下さい。
 



6月15日に確認された離岸流です。まとまりながら沖へ向かう流れが発生しています。
 


調査の詳細

6月15日


図1 着色剤散布箇所(6月15日)
 岸から海岸線に沿って平行に着色剤を散布し(図1)、経過を上空のヘリコプターから撮影しました。
 
 当日の日本海は高気圧に覆われ、快晴でした。
 北寄りの風(沖合からの風)6.0m/sが吹いていました
 波は1.0m程度ありました。

イ.寺泊中央海水浴場(一回目)

写真1
1.観測開始
 陸上から着色剤の散布を開始しました。
※陸上からの散布は海岸線を歩きながら行うため、作業終了まで時間を要します。(図1)

なお5月に離岸流が観測された位置に着色剤を散布しましたが、今回その位置では離岸流は観測されませんでした。

写真2
2.散布後約1分
海岸線では南(画像では下部)へ歩きながら着色剤を散布しています。
 着色剤は散布開始から約1分で約57m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.95m(約1.76ノット)程度と考えられます。
 付近の海水とは違う動きでした。

写真3
3.散布後約2分
 着色剤は次の約1分で約33m流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.55m(約1.02ノット)程度と考えられます。
 沖へ進んでいる様子が確認できます。

写真4
4.散布後約2分30秒
 着色剤は次の約30秒で約36m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速1.20m(約2.22ノット)程度と考えられます。
 さらに沖へ進んでいる様子が確認できます。


写真5
5.散布後約4分30秒
 着色剤は次の約2分で約76m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.63m(約1.17ノット)程度と考えられます。

写真6
6.散布後約5分30秒
 着色剤は次の約1分で約49m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.82m(約1.51ノット)程度と考えられます。


図2 着色剤散布箇所(6月15日)
 岸から海岸線に沿って平行に第2回目の着色剤を散布し(図2)、経過を上空のヘリコプターから撮影しました。
 
 当日の日本海は高気圧に覆われ、快晴でした。
 北寄りの風(沖合からの風)7.0m/sが吹いていました
 波は1.0m程度ありました。

 散布は第1回目の位置の南側で行いました。
ロ.寺泊中央海水浴場(二回目)

写真7
7.観測開始
 離岸流が発生したと思われる場所から着色剤の散布を再度開始しました。

 散布した着色剤は海岸線に沿って南側へ川のように流れた後、沖に向きを変えて移動しました。
 

写真8
8.散布後1分
 着色剤は散布開始から約1分程で約23m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.38m(約0.71ノット)程度と考えられます。
 

写真9
9.散布後約2分
 着色剤は次の約1分で約29m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.48m(約0.90ノット)程度と考えられます。
 

写真10
10.散布後約3分
 着色剤は次の約1分程で約24m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.40m(約0.74ノット)程度と考えられます。

写真11
11.散布後約4分
 着色剤は次の約1分程で約20m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.33m(約0.62ノット)程度と考えられます。
 

写真12
12.散布後約5分
 着色剤は次の約1分程で約6m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.10m(約0.19ノット)程度と考えられます。
 

写真13
13.散布後約6分
 着色剤は次の約1分程で約1m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.02m(約0.03ノット)程度と考えられます。
 付近の着色剤も集まる様子が確認出来ます。

 

写真14
14.散布後約7分
 着色剤は次の約1分程で約28m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.47m(約0.86ノット)程度と考えられます。
 

 

写真15
15.散布後8分
 着色剤は散布開始から約1分程で約6m沖へ流れました。この時の着色剤先端部の流速は秒速0.10m(約0.19ノット)程度と考えられます。
 

写真16
16.散布後約9分
 着色剤は拡散状態となりました。先端の動きは止まったようです。

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 海で遊んでいるときに、どんなに気をつけているつもりでも沖に流されたりした場合は「助けてサイン」を出しましょう。監視員やライフセーバーの方が気づいて助けに来てくれます。
 「助けてサイン」とは
片手を大きく振ることです。

 ※また、監視員やライフセーバーがいる海水浴場を選ぶことも大切です。

・気象・海象の状況によっては、異なる流向や、強い流れが生じることがあります。
・そのほかの海水浴場でもこのような離岸流が発生する可能性もあります。


 「離岸流」って何だろう?
 
 海で安全に楽しく遊ぶために、こんなことに注意しましょう!
 
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