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新潟県島見浜海水浴場付近の離岸流調査結果速報(平成22年6月1日,2日)              

本調査は新潟県島見浜森海水浴場において、離岸流の発生のポイント を把握するために砂浜から海岸線に沿って平行に着色剤を散布し、上空のヘリコプターにより着色剤の流れの状況を撮影する方法で行いました。
また、当庁の職員による漂流実験及びDGPS内蔵型漂流ブイ(以下、「漂流ブイ」という)による観測を行いました。

 ※今回の調査で確認ができたのは、突堤に沿った弱い流れでしたが、気象・海象の状況によっては、離岸流の発生場所や流れの向きが異なり、また、同じ場所であっても、強い流れが生じることがあります。

 離岸流についての説明は、  「離岸流」って何だろう?  をご覧下さい。

着色剤による調査

調査海域

調査前に


事前調査
・平成22年5月


場所:海水浴場中央付近の離岸流
 平成22年5月に、離岸流の事前調査を行ったところ、複数の突堤付近で離岸流が確認できました。
 中でも、左図に示した突堤に沿った流れ(赤線の矢印上)は、特に速い流れで、突堤の左右で異なる速さの流れが確認できました。
 なお、当時の状況は、風速約4.0m/sで、波高約0.8mのやや高い波の状態でした。

調査結果 (詳細は後述しています)


6月1日の状況
・6月1日

 離岸流が観測されました。

場所:海水浴場中央付近の離岸流
 漂流ブイによる流路・流速の観測及び着色剤による離岸流観測を実施しました。
 また、当庁の職員による漂流実験を実施し、離岸流の危険性について調査しました。
 漂流ブイによる観測と職員による漂流実験では、人工構造物(突堤)に沿った流れ(離岸流)を確認しました。

速い流れは、観測されませんでしたが、気象・海象によっては、5月のように速い流れが発生しますので、注意が必要です。


6月2日の状況
・6月2日

 離岸流が観測されました。

場所:海水浴場中央付近の離岸流
 6月1日と同じ場所で、着色剤による観測を行いました。
 沖に向かった流れ(離岸流)を観測することができました。

速い流れは、観測されませんでしたが、気象・海象によっては、5月のように速い流れが発生しますので、注意が必要です。

・調査時の様子 (砂浜側から見た状況)


両日共に、風が弱く、波も低い状態(波高約0.3m)でした。
この様な穏やかな時にも、離岸流が発生していますので、十分注意が必要です

・着色剤散布の様子
 海水浴場の砂浜から海岸線に平行に散布しました。当日は風や波がなく平穏でした。
 6/1
 14:15 風速:約2.7m/s 風向:北
 14:35 風速:約5.5m/s 風向:北
 15:15 風速:約4.0m/s 風向:北東
 6/2
 14:00 風速:約2.8m/s 風向:北西
 14:20 風速:約3.0m/s 風向:北
 14:45 風速:約1.8m/s 風向:北
 


6月1日に確認された離岸流です。

6月1日
6月2日
調査結果
 


調査の詳細

6月1日


着色剤散布箇所(6月1日)

離岸流発生場所(6月1日)
 波は、沖から岸へわずかにある程度で、風はほとんどありません。

 岸から海岸線に沿って平行に着色剤を散布しました。

   着色剤は散布後、しばらくの間、沖に流れる様子が見られませんでした。
 その後、2箇所において、突堤に沿って、沖に流れていきました。

 結果は、西側突堤で約2.4m/min、東側突堤で約2.1m/minの離岸流が観測されました。

イ.西側の突堤に沿った離岸流

1.観測開始

 陸上から着色剤を散布しています。
 (赤線の矢印上を着色剤を散布しました。)

2.散布後約2分

 着色剤は、突堤(写真手前側)に沿って流れ、約10m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約5.0m/minと推測されます。

3.散布後約9分

 着色剤が薄まったため、着色剤を追加しました。(青丸付近)
着色剤は、2.より約7分で、約14m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約2.0m/minと推測されます。 
 その後、着色剤の先端部は、先を広げながら、沖へ流れました。

4.散布後約16分

 着色剤は、3.より約7分で、約16m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約2.3m/minと推測されます。 
 (青線矢印の先端には、漂流実験中の職員が写っています。)

5.散布後約21分

 着色剤は、4.より約5分で、約10m沖へ流れ、突堤の先端まで流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約2.0m/minと推測されます。 

3.散布後約30分

 突堤の先端まで流れた着色剤は、弱いながらも、陸へ向きを変え流れました。
 突堤の先端から沖側は、着色剤と同じ方向に、海中の細かなゴミが流れているのが分かります。(赤波線の矢印)
ロ.東側の突堤に沿った離岸流

1.観測開始

 陸上から着色剤を散布しました。
 (赤線の矢印上を着色剤を散布しました。)

2.散布後約16分

 着色剤は、突堤に沿って流れ、約34m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約2.1m/minと推測されます。 

3.散布後約33分

 着色剤の先端部は、弱いながらも、先を広げています。
 その後、沖へ向かう流れと、陸へ向かう流れが見られました。(赤線の矢印)
▲6月1日の文頭に戻る

 
6月2日
 

着色剤散布箇所(6月2日)

離岸流発生場所(6月2日)
 波は、沖から岸へわずかにある程度で、風はほとんどありません。

 6月1日と同様に岸から海岸線に沿って平行に着色剤を散布しました

 着色剤は散布後、突堤に沿って、沖に流れていきました。

 結果は、約3.1m/minの離岸流が観測されました。

突堤に沿った離岸流

1.観測開始

 陸上から着色剤を散布しています。
 (赤線の矢印上を着色剤を散布しました。)

2.散布後約3分

 着色剤は、突堤に沿って流れ、約14m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約4.7m/minと推測されます。 

3.散布後約4分

着色剤は、2.より約1分で、約6m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約6.0m/minと推測されます。 
 陸上から着色剤を散布しています。
 (青線の矢印上を着色剤を散布しました。)

4.散布後約5分

 着色剤は、3.より約1分で、約4m沖へ流れました。(赤線の矢印)
 この時の流速約4.0m/minと推測されます。 

5.散布後約16分

 着色剤が薄まったため、着色剤を追加しました。(青丸付近)
 着色剤は、4.より約11分で、約26m沖へ流れ、突堤の先端まで流れました。
 この時の流速約2.4m/minと推測されます。 
 その後は、弱い流れですが、向きを変え、西(写真手前側)へ流れました。(赤線の矢印)


▲6月2日の文頭に戻る  



 海で遊んでいるときに、どんなに気をつけているつもりでも沖に流されたりした場合は、落ち着きましょう

 ※また、監視員やライフセーバーがいる海水浴場を選ぶことも大切です。

・気象・海象の状況によっては、異なる流向や、強い流れが生じることがあります。
 また、発生場所も変化することがあります。
・都合により、本海域のみの調査となりましたが、このほかの場所、海水浴場でも離岸流が発生する可能性もあります。

 「離岸流」って何だろう?
 
 海で安全に楽しく遊ぶために、こんなことに注意しましょう!
 
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