本調査は新潟県石地海水浴場付近において、離岸流の発生のポイント を把握するために砂浜から海岸線に沿って平行に着色剤(シーマーカー)を散布し、着色剤の流れの状況を撮影する方法で行いました、以下に今回の調査結果を速報します。
また、機動救難士による漂流実体験及び漂流ブイによる観測を行いました。
なお以下の写真はヘリコプターからの空撮及び陸上からの撮影した写真を使用しています。
※6月12日、6月13日の調査ではほぼ同じ場所で離岸流を確認しました。今回の調査では離岸堤付近で離岸流を確認しました。
気象・海象の状況により、離岸流の発生場所や流れの向きは異なり、また、同じ場所であっても、強い流れが生じることがあります。
また、一般的に風波が強く海が荒れた状況では、離岸流は発生しやすくなります。
離岸流についての説明は、
「離岸流」って何だろう?
をご覧下さい。
調査時の様子
着色剤散布の様子 |
漂流ブイの様子(海面に浮いた状態で流れを観測します) |
調査区域図
調査区域を左図のとおり、区域@、区域Aの2区域に分けて調査結果を報告します。 区域内には離岸堤が存在します。 |
・調査結果
6月12日 区域@の状況 (方位は北が上) 風と波の状況 風 13:00 風向:南東、風速:約2.5m/s 14:00 風向:南東、風速:約3.0m/s 15:00 風向:南東、風速:約3.0m/s 波 波向:北北西、波高:0.5m |
・区域@ 6月12日(着色剤のみ) 顕著な離岸流は確認出来ませんでした。 しかし沖に向かう弱い流れがありました。 着色剤の流れ(赤矢印) 海水浴場の砂浜から海岸線に平行に散布しました。 13:53散布開始(離岸堤南端の東方から約75m散布) 2本の弱い流れが確認されました。 着色剤は、沖へ5分で約20m流れました。 さらに沖に進み、30分後、約50m流れました。 当時の気象は、風向が南東、風速が約3.0m/sでした。 海上模様は、波向は北北西で、波高0.5m、穏やかな状況でした。 |
@-1
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@-2
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6月12日 区域Aの状況 (方位は北が上) 風と波の状況 風 13:00 風向:南東、風速:約2.5m/s 14:00 風向:南東、風速:約3.0m/s 15:00 風向:南東、風速:約3.0m/s 波 波向:北北西、波高:0.5m |
・区域A 6月12日(着色剤、漂流ブイ) 離岸堤北端から東方約50mの位置に2本の離岸流を確認しました。 着色剤の流れ(赤矢印) 海水浴場の砂浜から海岸線に平行に散布しました。 14:10散布開始(離岸堤北端の東方から150m散布) 離岸堤北端の東方約50mの位置に2本の離岸流が確認されました。 着色剤は、離岸堤に向かって5分で約45m流れました。 その後、さらに着色剤は沖へと流れ続け15分後には約100m流されました。 漂流ブイの流れ(水色矢印) 漂流ブイを漂流させて、1箇所で流路及び流速の調査を実施しました。 14:17漂流開始 流速が約10m/分の離岸流を観測しました。 当時の気象は、風向が南東、風速が約3.0m/sでした。 海上模様は、波向は北北西で、波高0.5m、穏やかな状況でした。 ※なお着色剤とブイの流れの方向と速さは、ブイは風の影響を受けやすいため一致しません。 また、時間的な違いや位置的な違いも影響します。 |
A-1
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A-2
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6月13日 区域Aの状況 (方位は北が上) 風と波の状況 風 10:00 風向:北、風速:約1.0m/s 11:00 風向:北、風速:約1.0m/s 波 波向:北北西、波高:0.5m、 |
・区域A 6月13日(漂流ブイのみ) 離岸堤北端から東方約50mの位置で、昨日より速い離岸流を確認しました。 漂流ブイの流れ(水色矢印) 漂流ブイを漂流させて、1箇所で流路及び流速の調査を実施しました。 10:07漂流開始 流速が約20m/分の離岸流を観測しました。 当時の気象は、風向が北、風速が約1.0m/sでした。 海上模様は、波向は北北西で、波高0.5m、穏やかな状況でした。 6月12日に離岸流が発生した同じ場所で調査を実施しました。 同じ場所でも気象等の状況によっては、速い流れが発生することがわかりました。この場所では風、波共に北の方向からくると、離岸流の速さも速くなりました。 また一般的に、風波が強く海が荒れた状況では、離岸流が速くなる可能性が高くなりますので、注意が必要です。 |