星雲
空を望遠鏡や双眼鏡で注意して眺めると、ぼうっと光った小さな雲のような天体を見つけることが出来ます。
このような天体を総称して
星雲とよびます。
星雲の分類
天文学が未発達な時代は、特に区別されることもありませんでしたが、現在は左の表のようにそれぞれ区別されるようになり、
現在「星雲」といえばガスや塵からなる星雲(表中3,4)だけをさすようになりました。
ただし、「アンドロメダ大星雲」(M31)のように、有名な天体に関しては固有の名前として定着しているため、
散光星雲では無くとも例外的に星雲とよばれるものもあります。 |
メシエ・カタログ
18~19世紀に活躍したフランスの天文学者シャルル・メシエ(Charles Messier)が作成した星雲や星団のカタログ(
星表)。
メシエは彗星捜索者として有名な人物で、観測の合間に彗星と紛らわしい天体を記録したものが基となり、
これに彼の同僚による増補・後世の追加などを経て、いわゆるメシエ・カタログとなりました。
メシエカタログに記載された天体は、順に番号がついており、その番号にメシエの頭文字「
M」をつけて「M31,M42」などのように表されます。
現在は、M1~110の天体をメシエ天体と呼んでいます。
このカタログは系統立てて作成されたものではないため、番号と天体の種類・天体の位置などに特に関連がなく、
不明の天体や二重登録された天体などもあり学問的な価値はありませんが、
いずれも小型の望遠鏡で見ることの出来る明るい天体であることから、星雲星団の観望の際などにはよく利用されています。
小宇宙(銀河系外星雲)
小宇宙(M31)
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我々の銀河同様、数億~数千億の恒星で構成される星の大集団。
アンドロメダ大星雲や、大・小マゼラン雲などが有名です。
銀河系のように渦状のものや、球状のもの、楕円状のもの、不定形のものなどいろいろなタイプが存在します。
銀河群・銀河団
銀河団の姿
(NASAのHSTの画像)
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小宇宙(銀河)の多くは集団をなしています。100個以下程度 の小さな集団を
銀河群、
それ以上の大規模なものを
銀河団と呼びます。
代表的な銀河団としては、おとめ座銀河団、しし座銀河団、かみのけ座銀河団な どがあります。
我々の銀河系も大小マゼラン雲やアンドロメダ大星雲などと共に
局部銀河群を形成しています。
星団
狭い範囲に、多数の恒星が密集して見えるもののうち、実際に物理的な関連をもったものを
星団といいます。
星団内の星は、同じ起源の星であると考えられます。
星団には、大きく分けて
球状星団と
散開星団の2種類があります。
球状星団
球状星団(M13)
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数万~数百万の恒星がぎっしりと球状に集まった星団。
M13(左写真)や、
オメガ星団が有名です。球状星団を構成する恒星は、銀河系でも最も古い世代の星です。
また、球状星団は銀河系全体を球形に囲むように分布しています。
散開星団
散開星団(M45)
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数百~数千の恒星が比較的まばらに集まった星団。
特に決まった形状はもっていません。
プレアデス星団(M45・すばる)や
プレセペ星団(M44)などが有名です。
散開星団を構成する恒星は、銀河系でも最も若い世代の星であることが多いです。
また、散開星団は銀河系の円盤部にあるため、銀河(天の川)の中に多く見ることができます。
散光星雲
オリオン座大星雲(M42)
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ガスや塵で構成され、星の光を反射して光る反射星雲(プレアデス星団の周辺ガスなど:
散開星団の写真参照)や
紫外線等を受け電離したイオンと電子が再結合した際に光を発する輝線星雲(オリオン座の大星雲など)などがあります。
恒星の進化の末期の姿である
惑星状星雲(こと座リング星雲など)や超新星残骸(おうし座カニ星雲など)も
散光星雲の中に含まれます。
暗黒星雲
オリオン座
馬頭暗黒星雲
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散光星雲同様ガスや塵で出来ていますが、近辺にこれを光らせる恒星が無いような場合、星雲を直接見ることは出来ません。
しかしこの星雲が背後の星々を隠すため、そのシルエットによって存在がわかることがあります。このような星雲を暗黒星雲といいます。
オリオン座の馬頭暗黒星雲や銀河の暗黒帯は、この種類の星雲です。
惑星状星雲
ふくろう星雲
(M97)
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恒星進化の末期に恒星の外部のガスが膨張して出来る星雲。
望遠鏡で見た場合、惑星に似た姿をしているものがあることからこの名前がつきました。
この星雲はガスが膨張することで徐々に大きさを増し、やがてガスが薄くなって見えなくなるまでの間の姿です(見えなくなるまでには数万年かかる)。
惑星状星雲の中心には、もとの恒星の中心核であった高温高密度の星が存在します。
惑星状星雲は、それぞれその形に特徴があり、写真のふくろう星雲(M97)やリング星雲(M57)、亜鈴星雲(M27)など、
その形を表す名前を持つ星雲も多くあります。