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海上保安庁 海洋情報部

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 海洋権益保全のための海洋調査



 海上保安庁では、海上の安全確保のほか、海洋権益の確保、海域の活用等のため、海底地形調査等の海洋調査を実施し、様々な海洋情報を収集しています。

1.大陸棚延長に向けた取り組み
(1)国連海洋法条約
 我が国が平成8年に批准した、「海の憲法」と呼ばれる国連海洋法条約では、原則として領海の基線から200海里(約370km)までを「排他的経済水域」として、沿岸国が海域並びに海底及び海底下を探査し、天然資源を開発する主権的権利を有しています。加えて、海底の地形や地質が一定の条件を満たす場合には、200海里を超えて海底及び海底下に主権的権利を有する「大陸棚」を、延長することが認められています。
 そのためには、海底の地形や地質に関する科学的調査データに基づき、国連に申請を行い審査を受けなければなりません。

(2)我が国の取り組みと成果
 海上保安庁では、測量船により、昭和58年から平成20年6月までに約25年をかけ大陸棚調査を実施しました。測量船が航行した距離は108万km(地球27周分)に達しました。平成13年以降から始まった他国の申請状況から、厳しい審査基準の情報を収集しつつ、平成15年12月に内閣官房に大陸棚調査対策室を設置する等、政府一体となって取り組む中、調査については関係省庁が分担して実施しました。
 これらの調査に基づき、平成20年11月に大陸棚の延長を国連に申請し、平成21年9月に審査が開始され、平成24年4月に我が国に対して約31万平方kmの大陸棚の延長を認める勧告が発出されました。これを受け、我が国では、大陸棚の延長が認められた海域のうち、平成26年10月に四国海盆海域及び沖大東海嶺南方海域、令和6年7月に小笠原海台海域の大部分についての範囲を「排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第二条第二項の海域を定める政令」にて定めました。
 このことは、海上保安庁が25年間の長きにわたり実施してきた大陸棚調査の成果が実り、我が国の海洋権益の確保に大きく貢献したものといえます。
 引き続き、大陸棚の延長が認められた海域のうち、米国との調整が必要となる小笠原海台海域の一部海域及び南硫黄島海域は当該調整後に政令の制定に着手し、勧告が先送りされた海域については、早期に勧告が得られるよう努力を継続することとしています。

紫色 政令を制定した海域(※.1) } 延長が認められた海域(約31万平方km)
橙色 関係国との調整が必要な海域
黄色 勧告が先送りされた海域(約25万平方km)
  • ※.1 排他的経済水域及び大陸棚に関する法律第2条第2号が規定する海域

2.我が国の管轄海域における海洋情報の整備
 大陸棚の延長のための調査終了後も、データが古い海域については、我が国管轄海域の海洋情報の整備のための調査が実施されています。特に、平成25年から導入された自律型潜水調査機器(AUV)(※.2)「ごんどう」による調査は、これまで測量船では得ることが不可能だった、深海における詳細な調査データを収集することができるようになりました。
 平成26年には、沖縄県久米島沖において、煙突状の地形を多数発見し、その先端からは湧出物を示す記録や水温の急激な上昇が観測されました。これらの煙突状の地形は、熱水を噴出しているチムニー(※.3)群であることがわかりました。また、他機関での調査により、大規模で高品位の熱水鉱床であることが確認されています(愛称「ごんどうサイト」)。
 これらのチムニー群の発見のほかにも、海底火山地形や火口から流れ出た溶岩流の痕跡が確認される等、今後の資源開発や、海底火山に係る調査研究・防災等の基盤情報としての活用が期待できる調査結果が得られています。今後も、本調査による成果が期待されます。

  • ※.2 自律型潜水調査機器(AUV):Autonomous Underwater Vehicle の訳。海底近傍まで潜航のうえ、プログラムされた経路を自動航走しながら、精密な地形などのデータを取得することができる無人の調査機。
    詳細…海洋情報部研究報告 第51号(平成26年)「自律型潜水調査機器「ごんどう」の運用」 PDF 17,550KB
  • ※.3 チムニー:熱水に解けている金属が海水と反応し、沈殿することによって形成された煙突状の地形

 久米島沖において発見された日本周辺で最大規模のチムニー群(H26)


上記①図(測量船)と②図(AUV)は同海域での調査結果(海底地形図)


 広報資料


    平成29年

  • 7月21日 久米島沖に熱水噴出を伴う海底火山地形を発見 PDF形式/266KB
  • 平成28年

  • 2月3日 溶岩流の痕跡がくっきり!宮古島北方に海底火山~海底火山活動の解明のための基盤情報として活用が期待~
     PDF形式/296KB
  • 平成27年

  • 7月27日 トカラ群島宝島沖に火山地形を発見 PDF形式/837KB
  • 平成26年

  • 9月19日 久米島沖に国内最大のチムニー群を発見 PDF形式/705KB
  • 平成25年

  • 10月8日 海上保安庁がAUVによる海洋調査を開始~奄美大島北西沖の海底火山で熱水・ガスの湧出を発見~ PDF形式/870KB
  • 6月27日 トカラ群島で発見した海底火山について PDF形式/584KB
  • 1月18日 「自律型潜水調査機器」の愛称が決定 PDF形式/111KB
  • 平成24年

  • 11月2日 「自律型潜水調査機器」の愛称を募集 PDF形式/270KB
  • 平成21年

  • 6月22日 新たな海底熱水鉱床発見の可能性~海底鉱物資源開発に期待~ PDF形式/933KB
  • 平成20年

  • 10月31日 大陸棚の限界の申請について PDF形式/697KB
  • 6月6日 海上保安庁による大陸棚限界画定調査の完了について PDF形式/444KB
  • 平成19年

  • 11月30日 日向灘で海底山脈の沈み込みを確認 日向灘~九州南方海域における地殻構造調査結果
  • 平成18年

  • 2月17日 「大陸棚画定の技術的課題に関する専門家会議」の開催についてお知らせ PDF形式/15KB

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更新日 令和6年10月31日
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