海上保安庁総合職職員採用情報

知られていないけど大事なこと


H19入庁(10年目)
技術・国際課海洋研究室(留学中)

理学部(専攻:数学)
採用区分:理工Ⅱ

「ダラム大学での卒業式」


 皆さんこんにちは。入庁時を思い出しながら、この稿を書いています。 この10年間、仕事に対するモチベーションが変わらず続けてこられたのがなにより幸せだったと思っています。 それはきっと海洋情報部の業務が奥深い上に、与えられる裁量が大きいことが関係しているのでしょう。 技術面で闊達な議論を許す土壌に、海上保安庁の持つ規律が絶妙なバランスを見せている、そんな印象を持った10年間でした。

 私は大学で数学(幾何学)を専攻していたことから、入庁後、我が国の管轄海域を精密に算出するため、地球楕円体上の距離計算を担当しました。 その後、海上保安庁の窓口にあたる総務部政務課でより行政的な業務に携わりました。 ちょうど尖閣諸島中国漁船衝突事案や東日本大震災といった、我が国全体に係る様々な問題が発生したときで、チームで困難にあたることの重要性が分かりました。 その後も、様々な業務に携わる中で、技術面だけでなく海洋境界に係る幅広い知見を持つ人材になることが、将来の役に立てると思い、人事院制度による海外留学を希望しました。 無事に希望が通り、この2年間、英国ダラム大学、キングスカレッジロンドンの修士課程で地理学、地政学を専攻し、海洋境界に関する詳細を学んでいます。 日本ではあまり知られていない分野ですが、水路関係者が貢献してきたことも多く、技術と国際法が一緒になって成長してきた、そんな分野です。

 以前に後輩が本稿で書いていましたが、あまり知られていなくとも、面白く、そして大事なことが沢山あるのは確かです。 海上保安庁海洋情報部は小さな組織ですが、そういった大事な業務を積み重ねてきました。 10年前の自分や、このウェブサイトを見ている誰かにもし何かを言うとすれば、 海上保安庁に入って、思った通り大変だけど、でも思ったよりも楽しみながら、そして思ったよりもきっと成長できるよ、と言うかもしれません。 ぜひ一度当庁に足を運んでみてください。


※本記事はH28年度時点のものです。