海上保安庁総合職職員採用情報

科学や海に興味があるあなたへ


H29入庁(4年目)
沿岸調査課

理学部(専攻:地球惑星科学)
採用区分:化学・生物・薬学


●現在
 皆さんこんにちは。突然ですが、皆さんは船に乗ったことがあるでしょうか。私はあります。実を言うと、この原稿を書いている2週間前まで仕事で船に乗っていました。今皆さんがご覧になっている写真の、全身をオレンジ色で固めた男が私です。何をしていたかというと、写真中央の黄色いサーフボードのような物体を洗っていました。海上保安庁が数年前に導入した自律型海洋観測装置という機器です。英語で言うとAOV(Autonomous Ocean Vehicle)、平たく言うと気象や海象を観測できる海のドローンです。今の私の仕事は、AOVの身の回りのお世話です。具体的には、収集したデータの解析に必要な数値の作成やパーツの調達などを行っています。新しく導入した観測機器を活用した調査というチャレンジングな業務で、今これを読んでいる皆さんの中にも、大学で似たようなことをしている方がいらっしゃるかもしれません。

●3か月前から3年前
 今でこそAOVのことばかり考えている私ですが、入庁してからずっとこの仕事をしていたわけではありません。3か月前までは総務部政務課という、海上保安庁全体の施策の企画調整を担う部署に所属していました。その部署では、”海猿”として活躍していた同僚や巡視艇の船長をしていた上司と一緒に、様々な施策に関する庁内外の調整や、海上保安レポートという海上保安庁の1年間のトピックを紹介する本の編集などの業務を行いました。更にその前の入庁1年目は、海洋情報部海洋情報課(現:情報利用推進課)で、「海しる」という海洋の様々な情報を地図上に表示するWeb-GISサービスの構築に携わりました。現場での海洋調査を心の中で希望していた私は、配属当初、これらの業務に前向きに取り組めるか不安でした。実際には、新しいサービスや本を作ることは創造的でしたし、バックグラウンドの異なる上司や同僚と協力して困難な調整に立ち向かうことは一種のチームスポーツのようでもあり、いずれもやりがいを感じるものでした。

●4年前
 さらに入庁の1年前、当時、大学院で微生物の研究に行き詰っていた私は、博士課程に進むか就職するか迷っていました。そんな時に海洋情報部の業務説明会に参加しました。「科学で、海の安全を守る、どこからどこまでが日本の海かを決めている」、「現場での調査、海図の作成、様々な業務がある」、「観測データをもとにNature、Scienceに論文を載せた人もいる」、といった内容が印象に残っています。
 社会人となって3年がたち、博士号をとった大学院の同級生を見ると、入庁前には博士課程に行かずに後悔するかもしれない、と考えたことを思い出します。今改めて振り返ると、海上保安庁で働くという選択をして良かったと感じています。様々な人と出会いながら、幅広い仕事に携わるという、充実した毎日を過ごせてきました。

「理系の経験を活かしたいけど、研究っぽいこともやりたいけど、それ以外の仕事もやってみたいけど、、」という欲張りなあなた、シンプルに「海が好き」なあなた、ぜひ海洋情報部の業務説明会や官庁訪問に参加してみてください!


●ご参考
 この原稿で紹介した機器などのサイトです。もしよかったらクリックしていただき、海洋情報部の仕事に少しでも興味を持っていただけたら幸いです。
 ・AOVとは
 https://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/AOV/aov_index.html
 ・海しる
 https://www.msil.go.jp/
 ・海上保安レポート(面接対策の勉強にも)
 https://www.kaiho.mlit.go.jp/doc/hakkou/report/top.html


※本記事はR2年度時点のものです。