航路標識はいいぞ
H28入庁(1年目)
交通部整備課
専攻:機械工学・情報工学
採用区分:工学
交通部技術系総合職の採用ページをご覧いただき、ありがとうございます。
4月に入庁したばかりの私ですが、1年ほど前、このページを読みイメージを膨らませたことを思い返しつつ、
入庁し感じた交通部技術系総合職の魅力を、現在携わっている技術部門を中心に書きたいと思います。
○現在の業務 ─交通部整備課─
私は4月に入庁し、交通部整備課というところに所属しています。
海上保安庁交通部は四方を海で囲まれた我が国の生命線である「海上交通の安全確保」と「運航効率の増進」を任務に様々な取り組みを行っています。
それら任務を達成するためのハードウェアとして航路標識や海上交通センターなどを設置しています。
整備課は、これら施設の整備や保守を行っている交通部の技術部門です。
その中で私は海上交通センターや船舶通航信号所で用いられる船舶動静レーダ、情報処理装置といった機器の整備を担当しています。
現在、東京湾に一元的な海上交通管制の構築するという交通部のビッグプロジェクトに、機器の整備という面から携わっています。
○入庁まで
私は学生時代は、情報工学を専攻しており、画像解析を用いて物体の3次元形状を計測する技術の研究をしていました。
試作装置に用いるレンズ系を設計したり、プログラムと格闘したりといったことをやっていました。
就職先を決めるにあたり、「学生時代に学んだ技術を使いたい」「でも技術だけを突き詰めていくのも・・・」などと二律背反なことを思いながら、ふと業務説明に参加しました。
そこで、統計データ(いわゆるビッグデータ)を用いた航行管制支援という最新の技術を用いた開発の話、
また、一方で、技術的知見を背景にそれを社会に反映していく施策立案、そして海上保安庁ではそのどちらも携わることができるというお話を聞き、
それまでにイメージしていた海保の業務(海難救助!領海警備!船!)をよい意味で裏切られ、入庁を決意しました。
○交通部の技術部門の魅力
海上保安庁では、船舶交通の安全を確保するために、灯台や灯浮標などの船の道しるべとなる航路標識を設置しているほか、
多くの船舶が行きかい海上交通の要所となっている東京湾等では海上交通センターを設置し、航海の安全に必要な情報の提供や航行管制を行っています。
入庁前、あるいは業務説明でお話を聞くまで、私は、灯台、航路標識と聞いて、技術的に古い(!!)ものだと思っていて、技術といわれてもピンときませんでした。
しかし、実際に業務を始めて技術部署のベテランの職員からお話を聞き、歴史を紐解いてみると、当庁(や戦前の前身組織)が行ってきた航路標識整備の歴史は、常に最先端の技術を導入しつづけるものであったと言っても過言ではありません。
明治初期にお雇い外国人により建てられた西洋式灯台(当時の最新技術)、1950年代にいち早く導入をはじめた太陽電池を始めとする新しいエネルギーの利用(他にも風力、波力、過去には燃料電池も)、全世界を8つのアンテナで結び強力な電波でもって船に位置情報をを与えたオメガシステム(GPSに取って代わられ現在は運用修了)、1980年代から始まったLED光源の利用などなど。
このような伝統的に最新技術をキャッチアップしていく気風を知りました。
近年ではクラウド技術を用いた航路標識監視技術や、画像認識による小型船舶監視、次世代AIS(VDES)の日本主導による国際標準化などICTを用いた試みも行われています。
行政機関ながら、最新技術を幅広く扱うことができる環境は交通部総合職の魅力の1つでしょう。
また、海上保安庁は現場を持っており、自分の手がけた機器・施設・技術etcが現場で実際に運用される様子に触れることができるのも魅力だと思います。
過去、現在の最新技術に触れ、そして未来の技術を導入し、また、それらが実際にモノとして役立っていることを実感できる。
とても面白い職場だと思います。
○おわりに
今回は入庁して配属された海の交通を守るハードウェアの整備を担う技術部門の話を中心に書きましたが、制度等の企画立案といういわばソフトウェアの設計も担うことにもなります。
私のようにどちらもやりたいなー と思っている方にもおすすめの職場だと思います。
私はまだ見ぬ世界ですが、他の先輩のメッセージから魅力を感じ取っていただければと思います。
楽しい先輩方ともども、海上保安庁では皆さんの訪問をお待ちしております。
※本記事はH28年度時点のものです。