技術のスペシャリストから海のジェネラリストへ
H20入庁(9年目)
海外留学 (米国 George Mason University)
専攻:情報
採用区分:理工Ⅰ
このページを見ている皆さんの中には、将来の就職先についてあれこれ思い悩んでいる方も多いでしょう。
もう10年近く前ですが、学生時代の私も皆さんと同じように悩んでいました。
私からのメッセージでは交通部技術系総合職の魅力について、私の経験を通じてご紹介します。
○魅力1:幅広い業務
海上保安庁は海に関連する業務のすべてに関わっていると言っても過言ではありません。
技術系総合職職員は海難救助や領海警備、災害対応等の業務の技術的な側面のみならず、政策的な側面から携わる機会も多くあります。
私の場合は、東日本大震災等を踏まえた海上保安庁の体制強化について政策立案に携わる機会がありました。
また、海上保安レポートの執筆を3年間担当し、海上保安業務全般について国民の皆様にわかりやすくご紹介するための業務にも関わりました。
技術系総合職職員は政策的な仕事はもちろんのこと、各々の技術的な専門性を活かした仕事にも携わります。
海上保安業務は幅広い理工学的な知見をもとに成り立っています。
例えば、海の安全を守るために海上保安庁が設置している航路標識は、様々な工学的な知見を結集したものであり、最新の知見に基づき常に性能向上が図られています。これらの性能向上に必要な知見は日々拡大しており、現在無関係に見える分野も将来的な航路標識の性能向上に重要な役割を担うかもしれません。
このような理由から、海上保安庁では多様な技術的背景を持つ人材を求めています。
海上保安庁では、役職や年次に関係なく、前向きかつ合理的な提案を受け入れる度量の大きさを持った組織です。
皆さんの専門性が活かされる機会がきっとあると思います。
○魅力2:豊富な研修
海上保安庁に興味を持っていただいている皆さんの中には、船や海、海上保安業務に関する知識が乏しいことを理由に入庁を不安に思っている方がいらっしゃるかもしれません。
学生時代、私もその一人でした。
当時、私は船や海に全く興味がなく、私の海上保安業務に関する知識はドラマ「海猿」と漫画「トッキュー!!」から得たものしかありませんでした。
採用面接でその旨を話し、面接官の方々が苦笑されていたことを今でも覚えています。
しかし、私の経験から言えば、入庁前の知識の乏しさで業務に支障が生じたことは全くありません。
海上保安庁では豊富な研修を実施しており、それら研修を通じて入庁後に業務に必要な知識を習得することが可能です。
私は海上保安大学校の練習船「こじま」による遠洋航海実習(世界一周航海)に参加する機会をいただき、船の運航や海に関する基本的な知識を習得することができました。
また、自分自身の問題意識に応じて、人事院等の研修制度を活用し、行政官としての能力を高めることも可能です。
私は、最新の科学技術を政策に反映させるための専門的な知見を得ることを目的に、人事院長期在外研究員として、米国の大学院修士課程に2年間留学する機会をいただいています。
最後になりましたが、海上保安庁では、理工学的素養に基づく課題解決能力を有しつつ、庁内の文化に新しい風を吹き込んでくれるような多様な人材を求めています。
霞ヶ関で皆さんに会える日を楽しみにしています。
※本記事はH28年度時点のものです。