出向者から見た海上保安庁、そして10年後の未来
H14入庁(16年目)
総務省 基幹・衛星移動通信課(出向中)
専攻:都市工学
採用区分:理工Ⅰ
今回紹介するのは、交通部技術系の出向例の一つです。
採用されると、このような分野にも出向できるんだと軽い感じでお読みください。
私は今年度から、海上保安庁から総務省に出向し、衛星関係の無線局の許認可、技術基準を担当しています。
衛星業界は、最近めまぐるしく動いている分野です。
技術の発展によって静止衛星の通信を高速大容量化できるようになってきたり、衛星の小型化により打ち上げ費用の低廉化が図られ、衛星を数百から数千基、低軌道周回軌道に打ち上げ、低遅延、高速大容量化の通信網を作る動きが出てきたり、レーダーやカメラで地球観測するビジネスが出てきたりと主なものだけでも、盛りだくさんです。
唐突ですが、皆さんは15年前に、15年後の通信環境がどのようになるか想像したことがあるでしょうか。
私が入庁したときは、携帯電話でどこでも電話できて、メールもできて便利だなと思っていました。
ただ通信料が高い、速度が遅いと思って、画像を送ることは意識して行っていませんでした。
携帯で動画を見ることも馴染みがない時代でした。
いまやスマホでどこでも画像を送ったり、動画を見たりなど無意識で普通に行ってしまいます。
これがあと10年後にはどのようになっているでしょうか。
スマホで衛星電話できるのが普通の時代が来るかもしれません。
また、リアルタイムで衛星画像が見られる時代が来るかもしれません。
このように10年後どうなっているかを考えることは政策立案、技術発展の上で重要です。
たいがい10年後の予想は外れますが、それは現在考えられていない新しい技術などによるブレークスルーのおかげです。
予想が当たるか外れるかは問題ではなく、適時に新しい技術に対応していけばいいわけです。
技術革新が目覚ましい衛星通信分野に携わっている総務省出向の身から海上保安庁を見ても、技術革新を積極的に取り入れているところだなと改めて思います。
例えば、灯台の電源を太陽電池化するということは現在では当たり前ですが、1950年代導入当時は様々な問題があり、導入するにはなかなか難しいものでした。
それをいち早く導入を決断し、海上という過酷な環境で問題解決を行ってきたということは素晴らしいと思います。
今後も海上交通安全のために、IoT、衛星など最先端技術を取り入れていく伝統は受け継がれていくでしょう。
出向先では、衛星や電波の専門用語が飛び交い、様々な衛星事業者、研究者などとお話しする機会がたくさんあります。
海上保安庁にいたときも、航路標識や海上交通安全の専門用語が飛び交い、様々な海事関係者、研究者と話していたことを思い出し、出向しても仕事の基本は変わらないと捉え、今まで持ち得なかった新しい知見、経験などを吸収しようと思います。
このような出向のチャンスもあります。10年後の未来を創る仕事しませんか。
※本記事はH29年度時点のものです。