海域火山データベース
伊豆大島
Izu-Oshima
最終更新日 2024.8.6
位置
34°43' 37''N
139°23' 40''E
736m
三原山火口内部
日本周辺海域火山通覧(第4版)
34° 43' 28''N
139° 23' 40''E
758m
三原新山(標高点)
日本活火山総覧(第4版)
火山の概要
(日本周辺海域火山通覧より)
伊豆大島及び付近
概位
34°43'N 139°25'E
海図
W1066 W1078
海の基本図
63637
大島(736m)は北北西-南南東13km,東北東-西南西9kmの主に玄武岩から成る複式成層火山である.山頂(34°43.6'N,139°23.7'E)のカルデラ(直径3~4km)は東方に開く.島の伸長方向に並ぶ側火山からの山腹噴火が多い. 大島の東海岸沿いには大島火山の基盤を成す岡田,行者窟,筆島の古い火山が知られている.島の南端の波浮港は9世紀におきたマグマ水蒸気爆発で出来た池が,後の元禄地震の津波で開口したものであるといわれている. 1552年以降の噴火は主に山頂部で発生していたが,1986年11月の噴火では,三原山頂火口内で噴火後カルデラ床に側噴火がおこり,火口列は外輪山外側斜面にまで延びた.火山活動時期を通じて大島沿岸部に広く変色水が認められた. 大島の北及び東側の急斜面は相模舟状海盆(トラフ)に続く斜面である.大島の西方には北に開く馬蹄形の凹地形が隣接している.大島の長軸方向の延長部にあたる北西には,大島の側火山列として乳ケ埼海丘(水深217m,比高約350m),西乳ケ埼海丘(水深314m,比高約500m)などの高まりがあり,その北方延長部には東伊豆単成火山群がある.南東の延長部は波浮海脚にあたる.同海脚には間隔約800mで2列の側火山列がある.1987年の測量の結果,北東側の火山列に水深185mの側火山が新たに確認された.1954年と1987年の測量を比較すると,北東側の側火山列に水深の増加が著しく,最大100mもの増加があった. 大島の磁気異常は山体地形に伴う異常と北西-南東方向に伸びる磁気基盤の影響が重畳したもので,大島山体の平均的磁化は12a/mで,三原山のそれは6a/mである.1986年の噴火に関連して,三原山b火口付近に振幅300nt,波長約350mの熱消磁によるとみられる磁気異常が観測されていた.
大室出シ
概位
34°32'N 139°18'E
海図
W1066 W1078
海の基本図
6640
伊豆大島南南東約10kmにある堆状の地形である.最浅部は堆北部の小山状に盛り上がる所(34°34.5'N,139°28.7'E,水深28m)であるが,それを取り巻くように,大陸棚外縁に相当する水深90~130mの平坦面が広く発達する.堆のほぼ中央部に凹地(大室海穴,水深199m)がある.カルデラ地形あるいは火口の一部を示すかは不明である. 大室出シから石英流紋岩,シソ輝石流紋岩が採取されている.
日本火山学会発行第四紀火山カタログより 火山名が完全に一致する場合のみ表示
伊豆大島
溶岩+降下テフラ+岩なだれ+ラハール+火砕サージ
sl+pc+ma
更新世後期~完新世,岡田・行者窟・筆島の3火山をおおう.泉津層群,古期大島層群,1500年前のカルデラ形成後の新期大島層群からなる.1万年前-1500年前の古期大島層群の大噴火の周期はおよそ150年.新期大島層群の大噴火5世紀(S2),7世紀(S1),8世紀(N4),9世紀(N3),10(11)世紀(N2),12世紀(N1),13世紀(Y6),1338年?(Y5),1421年?(Y4),1552年?(Y3),1684-90年(貞享の大噴火,Y2),1777-92年(安永の大噴火,Y1),1876-1877年,1912-1914年,1950-1951年,1986年噴火
岡田
溶岩+降下テフラ
sc
伊豆大島火山におおわれる,正帯磁,おそらく更新世
行者窟
溶岩+降下テフラ
sc
伊豆大島火山におおわれる,正帯磁,おそらく更新世
筆島
溶岩+降下テフラ
sc
伊豆大島火山におおわれる,正帯磁,おそらく更新世
火山地形略記号の説明
LF:溶岩流 PC:火砕丘 CA:カルデラ SC:成層火山(急斜面) SL:成層火山(緩斜面) LC:溶岩丘 LD:溶岩ドーム MA:マール PF:火砕流台地 MK:火山岩頚 RP:火山性裾野・扇状地
有史以来の概略活動記録
(日本周辺海域火山通覧及び海域火山データベース活動記録より抜粋)
伊豆大島及び付近
1987年(昭和62年)11月
小噴火.
伊豆大島及び付近
1986年(昭和61年)
噴火.4か月半に及ぶ微動などの続発した前兆期間後,11月15日17時25分頃,三原山頂火口内で噴火.19日火口をあふれた溶岩はカルデラ床の一部に広がる.21日16時15分にカルデラ床で側噴火がはじまり,16時30分頃火口列は南東の三原山斜面(b火口列)にのび長さ約500mになる.17時45分頃外輪山を飛び越えて外輪山外側斜面(c火口列)に及び長さ3.3kmの火口列(b火口列南端からc火口列北端まで)ができる.溶岩は元町方面に流出したが途中で停止.22日の明け方までに13,000人の島外避難が行われた.
伊豆大島及び付近
1950~1951年(昭和25~26年)
噴火.
伊豆大島及び付近
1912~1914年(明治45~大正3年)
噴火.
伊豆大島及び付近
1777~1779年(安永6~8年)
噴火.「安永の大噴火」.多量の溶岩を流出し,先端は東海岸から海中に流下.
伊豆大島及び付近
1684年(貞享元年)
噴火.「貞享の大噴火」.溶岩北東海岸まで流出.火山活動7年間継続.
伊豆大島及び付近
1552年(天文21年)
噴火.東岸に達する溶岩流.
伊豆大島及び付近
1421年(応永28年)
噴火.海岸に異変.南部に側噴火.
伊豆大島及び付近
1338年(延元3年)
噴火.西岸に達する溶岩流(側噴火).
伊豆大島及び付近
684年(天武天皇12年)
噴火
画像コンテンツ
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海底地形図1
海底地形図2
鳥瞰図1
鳥瞰図2
海底地形図
鳥瞰図1
鳥瞰図2
写真
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2012/8/26 15:19-15:28
岡田港~風早埼付近
海上保安庁 撮影
2012/3/08 11:28-11:37
乳ヶ埼付近
海上保安庁 撮影
2011/2/07 12:20-11:33
筆島付近
海上保安庁 撮影
2008/2/13 13:36
三原山山頂付近 海上保安庁 撮影
2005/3/08 10:08-10:54
三原山火口付近 海上保安庁 撮影
2003/11/04 11:00
伊豆大島全景 海上保安庁 撮影
2003/11/04 11:00
伊豆大島火口 海上保安庁 撮影
2002/9/04 10:30
三原山火口付近 海上保安庁 撮影
「伊豆大島」活動記録
鳥瞰図および平面図作成に使用したデータのうち、陸域部分のデータについては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第159号)
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