海上保安庁総合職職員採用情報

自分だけの世界で技術の仕事だけをするということはありません


H16入庁(11年目)
広島海上保安部 交通課


 みなさん、こんにちは。 広島海上保安部交通課長の服部です。 平成16年入庁なので、今年(平成26年)で11年目となります。 私からは、交通系の現場の仕事、管理職としての仕事について紹介します。

保安部交通課の仕事
 保安部の交通課では、港長業務や海難防止活動といった航行安全業務と灯台等の航路標識の運用、管理を行う航行援助業務の2つが主な業務です。 全国的には、昨年(平成25年)10月に「第3次交通ビジョン」が策定され、海難隻数を大幅に減少させる様々な施策を展開しているところです。 当地・広島においても、海難防止にかかる取り組みを推進しています。
 広島と言えば「かき」の養殖が有名です。 海上には多数の養殖筏が設置されており、広島港内の筏曳航許可件数(約2,700件)は全国1位、かき筏に乗揚げ・衝突する海難が年間7隻程度あることが広島海上保安部の特徴でもあります。 また、マリンレジャーがとても盛んな地域で、海難の約8割がプレジャーボートによるものとなっています。
 夏場は、マリンレジャーが盛んになることに加え、広島港と宮島で大きな花火大会があり、海上から船で見学する方も多く、夜間航行に不慣れな方がかき筏に乗揚げるなどの海難を起こしていることから、海難防止活動に特に力を入れて取り組んでいます。
 海難防止活動は、リーフレット、うちわなどの啓発グッズを製作し、漁協、マリーナ、釣具店等に配って回るという地道な活動がメインですが、一番情報を伝えたい人たちにしっかりと情報提供ができる点を見ると、一番の近道なのかもしれないなと思います。
 また、昨年(平成25年)は保安部をあげてテレビ局に売り込みをかけ、昼の情報番組で20分を超える特集を組んでいただくなど、広く一般の方にも周知することができ、放送直後の宮島水中花火大会では、かき筏への乗揚げ海難は発生せず、保安部一同胸をなで下ろしました。

課長としての仕事
 課長として交通課をマネージメントするのはもちろんのこと、保安部内他課との業務協力等の調整や保安部幹部への業務報告等が主な仕事です。 懸案事項については、保安部の幹部へ相談して部としての方向性を決定し、課に持ち帰り、課として実際の対応を行います。
 このほか、上部組織(管区本部)からの業務依頼や指導に対する対応、航行安全委員会など外部委員会への出席など、保安部外での仕事もあります。

求める人材
 総合職(技術系)の採用ですが、自分だけの世界で技術の仕事だけをするということはありません。必ず、人と人とで仕事を行う環境にあるので、最低限のコミュニケーション能力は必須です。 その上で、社会情勢や色々な立場での意見、情報等をアンテナ高く収集でき、バランス感覚を持って振る舞える人材だとなおよいです。
 専門の分野は問いません。実際に、交通系の総合職(技術系)は、電気、電子、情報、機械、環境、物理等多様な人材が集まっています。 業務に必要な技術は入庁後に身に付ければ十分です。 当庁の抱える行政課題、技術課題について、理系のセンス(論理性等)で問題を発見、解決できる力が必要となります。


※本記事はH26年度時点のものです。