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海域火山データベース

雲仙岳
Unzendake

位置

緯度
経度
標高・水深
点名
出典
32°45'41''N
130°17'56''E
1,483m
平成新山(標高点)
日本活火山総覧(第4版)
32°45'36''N
130°17'32''E
1,359m
普賢岳(三角点)
日本活火山総覧(第4版)

火山の概要
(日本周辺海域火山通覧より)

雲仙岳
概位
32゜46'N 130°18'E
海図
W169
海の基本図
63482 63482-s
島原半島の中央に位置する雲仙岳は,平成2年の噴火によって新たに誕生した平成新山(32゜45.7'N,130°17.9'E,標高1,486m)を主峰とする火山である. 1792年5月,雲仙火山の東麓にある眉山とよばれる比高600mの溶岩円頂丘の一部が突然崩れ落ちた.大量の岩石が,足元に広がっていた島原の町と7,000人の住民を残らず一瞬のうちにのみ込んで有明海に突入した.大量の岩屑が急激に海中に突入したため津波が発生し,有明海を渡り対岸の熊本県の海岸を襲った.この津波と島原での圧死者をふくめ1万5000人という日本の火山災害史上最悪の犠牲者がでた. 中央部に東に開いた妙見カルデラがあり,その中に普賢岳等の最新期の溶岩円頂丘がある.岩石は安山岩・デイサイト(SiO2 58~68%)である. 雲仙火山をはさんで西の橘湾では,負の重力異常と複雑な地磁気異常が認められ,東の島原湾では地溝の断層が連続して追跡できる.

日本火山学会発行第四紀火山カタログより 火山名が完全に一致する場合のみ表示
火山名
概要
火山地形
年代
古期雲仙火山
猿葉山
高岳
矢岳
高岩山
絹笠山
九千部岳
LD, LF,SC, LF, LD
 
眉山
溶岩流
火砕流
岩屑なだれ堆積物
LD
 
普賢岳
(中央ドーム群,溶岩流)
溶岩流
火砕流
溶岩円頂丘
LD, LF
 
妙見岳
溶岩流
火砕流
SC, DA
 
野岳
溶岩流
火砕流
岩屑なだれ堆積物
LD, LF
 
火山地形略記号の説明
LF:溶岩流 PC:火砕丘 CA:カルデラ SC:成層火山(急斜面) SL:成層火山(緩斜面) LC:溶岩丘 LD:溶岩ドーム MA:マール PF:火砕流台地 MK:火山岩頚 RP:火山性裾野・扇状地

有史以来の概略活動記録

(日本周辺海域火山通覧及び海域火山データベース活動記録より抜粋)
火山名
年月日
活動記録
雲仙岳
1996年(平成8年)6月3日
噴火活動終息宣言(雲仙岳防災連絡会議)
雲仙岳
1995年(平成7年)3月
溶岩供給停止
雲仙岳
1991年(平成3年)6月3日
水無川流域を襲った火砕流により死者行方不明者43名.
雲仙岳
1990年(平成2年)7月
7月4日より微動.7月24日から地震群発.11月17日噴火.
雲仙岳
1975年(昭和50年)10月
普賢岳の東北東2.8kmの板底で噴気.
雲仙岳
1929年(昭和4年)
1929年(昭和4年)から度々群発地震.
雲仙岳
1922年(大正11年)12月
「島原地震」M6.9
雲仙岳
1798年(寛政10年)
噴煙活動
雲仙岳
1792年(寛政4年)2月
普賢岳で鳴動,噴気,土砂噴出.3月から新焼溶岩流出.幅220~360m,長さ2.7km.その後,ときどき地震あり.5月21日,強い地震と同時に眉山が大崩壊.津波発生し,死者約15,000名.
雲仙岳
1664年春
普賢岳南東山腹600mの地点から出水.死者30余名
雲仙岳
1663年(寛文3年)12月
普賢岳の北北東900mの地点から北方へ溶岩流出(古焼溶岩).溶岩流の幅約150m,長さ約1km.

画像コンテンツ

掲載している資料は、出典を明記してご利用ください.
海底地形図
鳥瞰図1
鳥瞰図2
地質構造図

写真

海上保安庁が撮影した写真については出所明記でお願いします.
2003/10/20

平成新山の山頂を北から見る
海上保安庁 撮影
2003/10/20

平成新山の山頂を東から見る
海上保安庁 撮影
2002/11/20 15:20

雲仙岳
海上保安庁 撮影
2002/11/20 15:20

雲仙岳
海上保安庁 撮影

垂直写真

海上保安庁が撮影した写真については出所明記でお願いします.
1993/05/27 10:50:50

平成噴火から2年経過した水無川火砕流跡 眉山
海上保安庁 撮影

「雲仙岳」活動記録

年月日
時間
記事
観測機関
2003/10/20
普賢岳山頂付近で至る所から水蒸気がわずかに上がっているのを視認した。
海上保安庁
2002/11/20
水蒸気や噴煙は認められない。普賢岳山頂の南西側に周辺より温度の高いところがある。
海上保安庁
2001/9/26
山頂の溶岩ドーム北側面の4ヶ所から水蒸気状の噴気が高さ約10~20mで立ち昇っているのを観測した。
海上保安庁
1997/2/14
山頂の溶岩ドームから少量の噴気あり。
海上保安庁
1997/2/12
山頂の溶岩ドームから少量の噴気が認められた。
海上保安庁
1995/8/25
山頂の溶岩ドームには、噴気が認められず。 高度約 3,000 m から熱赤外放射温度計により温度測定した結果、山頂部の最高温度は76.5℃であった。なお、この測定結果は温度計の特性などの影響は未補正である。
海上保安庁
1994/8/19
山頂付近は溶岩ドームで覆われており、活発に噴気を上げていた。山頂から南東及び南西方向には、最近起きた火砕流の跡と思われる青白い部分が認められた。 温度測定の結果この部分は周囲より高温を示した。山頂部の最高温度は130℃であった。
海上保安庁
1994/8/18
山頂付近は溶岩ドームで覆われており、活発に噴気を上げていた。山頂から南東及び南西方向には、最近起きた火砕流の跡と思われる青白い部分が認められた。 温度測定の結果この部分は周囲より高温を示した。山頂部の最高温度は130℃であった。
海上保安庁
1994/5/27
山頂付近は溶岩ドームで覆われており、そのピークから活発な噴気(白色)活動が認められた。また、山腹に白色噴気が2~3カ所、新しい火砕流跡(山頂の北側、長さ約1km)になお高温を示す白煙がそれぞれ認められた。
海上保安庁
1993/1/22
火口には白色噴煙(時々、黄色及び黄褐色噴煙)が、火口西方にある妙見カルデラの北東端には少量の白色噴煙がそれぞれ認められた。雲仙岳の西側斜面には少量の降雪があった。
海上保安庁
1992/2/13
11:10
ドーム頂より白色の噴気が多量に発生していた。その白煙が東方へ流れているため、火砕流の跡やドームの全体像は詳しく見えなかった。11時10分頃火砕流が発生し、薄茶色の煙が上昇した。
海上保安庁

鳥瞰図および平面図作成に使用したデータのうち、陸域部分のデータについては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図50mメッシュ(標高)を使用したものである。(承認番号 平15総使、第159号)
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