海氷の知識

海氷域の拡大・衰退
(オホーツク海)
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 海氷用語の解説
 海氷[Sea ice/かいひょう]
  海氷の生成と
発達過程
 海水が凍結してできた氷。海上にある氷の総称。
 その移動性あるいは生成場所によって定着氷と流氷又は沿岸結氷と流氷に分けられる。さらに、発達過程、形態等により細分類されている。
  海氷の密接度 
1.発達過程 [Development] ( ) 内の英数字は、海氷の記号を表しています。
  海氷用語の解説  新成氷 [New ice/しんせいひょう] (N)
 新しくできた氷に対する総称で晶氷、グリース・アイス、雪泥、スポンジ氷などが含まれる。
 ・晶氷 [Frazil ice/しょうひょう] (Cr) 【写真/Photo】
  水中を浮遊する微細な針状あるいは板状の氷。
 ・グリース・アイス [Grease ice] (Gr) 【写真/Photo】
  晶氷より後の凍結段階で、晶氷が互いに集まって水面にスープ状の層を作って
  いる。光をあまり反射しないので、海面はにぶく見える。
 ・雪泥 [Slush/せつでい] (Sl) 【写真/Photo】
  氷の上で水を十分含んだ雪、または豪雪の後の水中のネバネバした浮遊する雪の
  かたまり。
 ・スポンジ氷 [Shuga] (Sg)  【写真/Photo】
  直径数cmの海綿状の白い氷の集合体。グリース・アイス、雪泥、時には、いかり
  氷が海面に浮上してできる。
 
 ニラス [Nilas] (Ni) 【写真/Photo】
 薄い弾力のある外殻の硬い氷で、波・うねりでたやすく曲げられ、強く押されると指を組み合わせたような形(ゆび状のしあがり)になる。表面は光沢がなく厚さは10cm以下、暗いニラスと明るいニラスとに分けられる。

 ・暗いニラス [Dark nilas] (Nd)
  厚さ5cm以下の非常に暗い色のニラス。
 ・明るいニラス [Light nilas] (Nl)
  厚さ5cmより厚いニラスで、暗いニラスより明るい色をしている。
 ・氷殻 [Ice rind/ひょうかく] (R) 【写真/Photo】
  穏やかな海面で直接結氷するか、またはグリース・アイスから形成されるもろくて
  輝いた表面のかたい氷。通常塩分の少ない水にできる。厚さはおよそ5cm、風や
  うねりによって たやすく割れ、よく矩形の氷片になる。

 
 はす葉氷 [Pancake ice/はすはごおり](P)  【写真/Photo】
 互いにぶつかり合って縁がまくれ上がったほぼ円形の氷塊。直径30cm〜3m、厚さは約10cmになる。グリース・アイス、雪泥、スポンジ氷などから弱いうねりでつくられたり、氷殻やニラスがこわれたり、波やうねりのはげしいときは薄い板状軟氷がこわれたりしてできる。それはまた、しばしばある深さで、物理的性質の異なった水塊間の境界面でできて表面に浮いてくることがあり、急速に広い海面をおおう。
 
 板状軟氷 [Young ice/ばんじょうなんぴょう](Y) 【写真/Photo】
 ニラスから一年氷への移行の段階で、厚さは10〜30cmの氷。薄い板状軟氷と厚い板状軟氷に分けられる。
 ・薄い板状軟氷 [Grey ice](Y1)
  厚さ10〜15cm の板状軟氷で、灰色を呈し、ニラスより弾力がなく、うねりによっ
  て破壊される。普通圧力によって積み重なる。
 ・厚い板状軟氷 [Grey-white ice](Y2)
  厚さ15〜30cmの板状軟氷で、灰白色を呈し、圧力によって積み重なるよりも隆起
  状になる。
 
 一年氷 [First-year ice/いちねんごおり] (W)  【写真/Photo】
 板状軟氷から発達し、一冬より長くは経過しない海氷で厚さ30cm〜2m、薄い一年氷、並みの一年氷、厚い一年氷に分類される。
 ・薄い一年氷 [Thin first-year ice] (W0)
   ※白い氷[White ice]と呼ばれることもある
  厚さ30〜70cmの一年氷。
 ・並の一年氷 [Medium first-year ice] (W1)
  厚さ70〜120cmの一年氷。
 ・厚い一年氷 [Thick first-year ice] (W2)
  厚さ120cmをこえる一年氷。
     1.発達過程
     2.浮氷の形態
     3.氷の量
     4.流氷の運動作用
     5.変形作用
     6.氷域中の海水面
     7.氷の表面の特徴
     8.融解過程
     9.大気中の現象
    10.海上航行に関係
    のある用語
    11.その他
     海氷の写真・動画
  海氷用語等につきましては、1970年に世界気象機構(WMO)によって刊行された流氷用語集に拠っています(気象庁海氷用語 測候時報第42巻第7号別冊(昭和50年7月)及び気象庁海洋観測指針)。